ネット証券は無料化へ!銀行は値上げラッシュ?2020年金融手数料ビジネスの激変と低金利の裏側

2020年が幕を開け、私たちの生活に身近な金融サービスの手数料に、これまでにない異変が起きています。2020年1月6日に都内で開催された新年名刺交換会において、麻生太郎財務相が「手数料頼みのビジネスモデルはもはや通用しない」と明言したことが、その象徴と言えるでしょう。インターネット証券が手数料の「ゼロ化」を推し進める一方で、大手銀行はATMや口座維持にかかる費用の引き上げへと舵を切っており、真逆の動きが加速しています。

こうした驚きの展開に、SNS上では「ついに株の売買手数料が無料になる時代が来た!」「銀行に預けても利息がつかないのに、口座管理料まで取られたらたまらない」といった、期待と困惑が入り混じった声が数多く上がっています。これまで当たり前だった金融機関との付き合い方が、今まさに大きな転換点を迎えているのは間違いありません。私たちユーザーも、賢く情報を選択していく必要性が高まっています。

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証券業界の「値下げ」旋風!手数料ゼロ時代の到来

証券業界では、顧客を呼び込むための熾烈な引き下げ競争が巻き起こっています。インターネット証券の先駆者であるSBIホールディングスが、3年後をめどに現物株の売買手数料を完全に無料化する方針を打ち出しました。さらに、2019年12月に新たに始動したauカブコム証券は、早ければ2020年度中にもこの無料化へと踏み切ることを発表しており、業界に大きな衝撃が走っています。

投資信託(多くの投資家から集めた資金を運用の専門家が投資・運用する商品)についても、主要なネット証券が購入時の手数料をこぞって撤廃する動きを見せています。これまでは、アドバイスの対価として手数料を支払うのが一般的でした。しかし、手続きが手軽なネット証券の普及によって価格破壊が進み、他社との差別化を図るためには「無料化」が避けられない選択肢となっているようです。

この流れに危機感を募らせているのが、従来の対面型営業を強みとしてきた大手証券会社です。「老後2000万円問題」などをきっかけに、資産形成への関心は若年層や一般の個人投資家へも急速に広がっています。富裕層以外の顧客層でもコストへの意識が格段にシビアになっており、野村証券はLINE証券、大和証券はCONNECTといった新たなネット専業サービスを立ち上げ、必死の対抗策を講じています。

銀行業界は「値上げ」へ!ネット誘導でコスト削減を狙う

その一方で、銀行業界は一転して「値上げ」の波が押し寄せています。みずほ銀行は2020年3月からATMでの振込手数料を引き上げるほか、大口顧客への優遇措置も見直す方針です。三井住友銀行も、2020年4月から手形帳などの発行手数料を大幅に値上げします。さらに三菱UFJ銀行では、2年間利用のない口座に対して2020年10月にも年1200円の口座管理手数料を課す仕組みを検討しています。

こうした銀行の動きは、利用者をインターネットバンキング(パソコンやスマホで銀行取引を行うサービス)へ誘導するための戦略でもあります。ネット経由の取引であれば、多くの銀行が従来通りの手数料に据え置く予定です。銀行側としては、店舗や通帳にかかる莫大なコストを削減し、業務の効率化を図りたいという切実な思惑が見え隠れしています。

編集部が斬る!低金利がもたらす金融ビジネスの未来

証券と銀行という、一見すると真逆の動きの背景にある共通の原因、それは長引く「低金利」環境に他なりません。証券会社は運用難からコストに敏感になった投資家の厳しい目に晒され、銀行は本業である貸出金利と預金金利の差額で儲けるビジネスが限界を迎えています。これに加え、マネーロンダリング(不正な資金の出所を隠す犯罪行為)への対策費用も、経営の大きな重荷となっています。

今回の手数料異変は、これまでの金融機関のビジネスモデルがいかに限界に達しているかを物語っています。証券会社は単なる売買の仲介だけでなく、より質の高い付加価値を提供しなければ生き残れません。また、銀行も「お金を預かる場所」から「利便性を提供するプラットフォーム」へと変わるべきです。企業が生き残りをかけて変化する今こそ、私たちも金融リテラシーを高める絶好の機会です。

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