2020年東京オリンピック・パラリンピックの開幕まで、ついにあと200日となりました。この記念すべき節目を盛り上げるため、大会組織委員会の広報局では熱いプロモーションが展開されています。2019年12月末、広報局でSNS発信を統括する勅使河原晃さんは、ある特別な動画の収録現場に立ち会っていました。そこにいたのは、ステージ衣装に身を包んだ華やかなアイドルグループの少女たちです。「あと200日!」と笑顔ではじける彼女たちの姿は、多くの人の心を惹きつけるに違いありません。
今回協力したのは、モーニング娘。’20やアンジュルム、BEYOOOOONDS(ビヨーンズ)といったハロー!プロジェクトの人気グループです。彼女たちが持つSNSのフォロワー数は、合計で50万人を超えています。組織委の公式アカウントだけで発信するのではなく、影響力のあるアイドル自身に発信してもらうことで、これまで大会に関心が薄かった若い世代などにも興味を持ってもらう狙いがあります。ネット上では「推しがきっかけで五輪が楽しみに」「動画が可愛すぎる」と、早くも大きな反響を呼んでいるようです。
勅使河原さんは2016年に世田谷区役所から出向し、未経験からSNS担当になりました。行政の仕事とは勝手が違い、最初は「どの層に何を伝えるか」に大変苦労したそうです。しかし、その情熱的な取り組みにより、当初は1人だった担当者が11人にまで増員されました。現在、ツイッターのフォロワー数は約33万人に達しています。さらに英語や中国語での発信に加え、スペイン語の導入も検討中です。大会本番に向けて「フォロワー100万人」という高い目標を掲げ、さらなるファン拡大を目指しています。
このように多様な言語やプラットフォームを用いて情報を届けるSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)は、現代のイベント成功には欠かせない広報ツールと言えるでしょう。一方、組織委の広報局には、写真の力で大会を支えるプロフェッショナルも存在します。スポーツ専門のフリーカメラマンだった竹見脩吾さんは、パラスポーツ(障害者スポーツ)の写真展がきっかけで組織委にスカウトされました。竹見さんは一般のイベントだけでなく、部外秘の緊迫した会議にも立ち会い、歴史的な瞬間を記録しています。
2019年12月に開催された組織委の理事会でも、竹見さんはカメラのシャッター音が響かないよう私服で機材を包み、幹部たちの真剣な表情を切り取りました。一瞬のチャンスにすべてをかける職人技が、大会の裏側を支えています。2020年3月からは聖火リレーも始まり、いよいよ感動の本番へと突き進んでいくことになるでしょう。華やかな表舞台だけでなく、ボランティアや裏方の活躍も写真に残したいと語る竹見さんの姿勢からは、大会を全員で作り上げようという強い意志が伝わってきます。
メディア編集者としての私の視点ですが、今回の試みは非常に先進的で素晴らしいと感じます。お役所仕事になりがちな国際大会の広報に、アイドルの発信力やプロの映像・写真表現を取り入れたことは、現代のデジタル社会に最適化された戦略です。大会の成功には、競技そのものの魅力だけでなく、どれだけ多くの人を巻き込めるかという「共感の輪」が重要になります。SNSと写真という2つの武器が、人々の心を動かす起爆剤になることを期待するとともに、裏方の人々の情熱にも拍手を送りたいと思います。
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