ロシア・トルコを結ぶ新型天然ガスパイプラインが始動!米国を牽制し欧州を睨む「トルコストリーム」稼働がもたらす地政学の激変

世界のエネルギー地図を塗り替える壮大なプロジェクトが、ついに大きな一歩を踏み出しました。ロシアとトルコを強固なエネルギーの絆で結ぶ新しい天然ガスパイプライン「トルコストリーム」が、2020年01月08日に待望の稼働を迎えたのです。

イスタンブールで開催された華やかな記念式典には、ロシアのプーチン大統領とトルコのエルドアン大統領がそろって出席し、両国の親密さを世界にアピールしました。SNS上でも「巨大なインフラが動いた」「歴史的な転換点になりそう」と、国際政治のパワーバランスの変化に驚く声が多数寄せられています。

この壮大なインフラは、黒海の海底をなんと930キロメートルにわたって横断する驚異的な規模を誇ります。ここを通過する天然ガスの輸送能力は年間315億立方メートルに達し、その半分をトルコ国内で消費し、残りの半分はヨーロッパ諸国へ供給されるという壮大な計画が進められています。

式典には、ガスの延伸先となるセルビアやブルガリアの首脳陣も顔をそろえました。ロシアとしては、ヨーロッパへのエネルギー輸出を拡大して主導権を握りたい米国の動きを、見事に牽制した形と言えます。資源を外交の武器として活用する戦略が、今まさに本格化しているのです。

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米国の制裁を跳ね除けるロシアの執念と東欧の思惑

ここで言うパイプラインとは、気体や液体の資源を運ぶために地下や海底に敷設された「巨大な輸送輸送管」のことです。今回これほど注目を集めているのは、米国が2019年12月に、このトルコストリームと、ドイツへ繋がる別ルート「ノルドストリーム2」に関わる企業への制裁を決めた背景があるからです。

しかしロシアのノワク・エネルギー相は2019年12月末、制裁によってヨーロッパ企業が作業を停止しても、2020年内には完工を目指すという強気な姿勢を示しました。このような大国同士の火花散る攻防戦に対して、ネット上では「エネルギーを巡る現代の冷戦だ」といった緊迫感のあるコメントが目立っています。

プーチン政権はこれまでも、エネルギーの安定供給を外交の強力なカードとして利用してきました。トルコに対しては、今回のパイプラインだけでなく、原子力発電所の建設協力も同時に進めており、多方面から関係を強化して影響力を及ぼす狙いが透けて見えます。

一方、通過料による経済的な収入や、安定したエネルギー源を確保したい東欧各国は、自国へのルート誘致を巡って激しい火花を散らしています。さらにロシアには、現在対立が続いているウクライナを通過する従来のルートへの依存度を下げたいという、切実な思惑も隠されているのです。

編集部の視点:エネルギーが紡ぐ新たな世界秩序の行方

今回のトルコストリームの稼働は、単なる燃料の輸送開始という地政学的なニュースに留まりません。米国が経済制裁という強い手段で締め付けを図る中で、ロシアが着実にヨーロッパへの供給網を拡大している事実は、国際社会における米国の影響力低下を象徴しているように私には思えます。

資源を持つ強国が、隣国を経済的・政治的に取り込んでいく手法は冷徹ですが、非常に効果的です。日本にとっても、世界のエネルギー覇権の行方は決して他人事ではありません。この新たなパイプラインが欧州全体の未来をどのように変えていくのか、今後の展開から目が離せないでしょう。

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