わずかな摩擦や刺激によって皮膚がめくれてしまう、遺伝性の難病「表皮水疱症(ひょうひすいほうしょう)」。この病を抱えて生まれた赤ちゃんへ、心温まる誕生祝いを贈る活動が注目を集めています。現在も完治のための治療法が見つかっていないこの難病は、毎日のガーゼ交換や皮膚の処置が生涯にわたって欠かせません。我が子がこの病気であると診断されたとき、育て方が分からずに深い不安や孤独感を抱くご家族は非常に多いのが現状です。
そんな状況にあるご家族に寄り添うため、患者やその家族で構成されるNPO法人「表皮水疱症友の会 デブラ・ジャパン」が立ち上がりました。彼らは肌に優しい日用品などを詰め合わせた、特別な贈り物を届けるプロジェクトを展開しています。自身も患者であり、同法人の代表理事を務める宮本恵子さんは、同じ苦しみを知る仲間がいることを伝えたいと語ります。孤独になりがちな育児の中で、安心と未来への希望を届けたいという強い願いがこの活動には込められているのです。
インターネット上のSNSでも、この取り組みに対して「なんて素敵な贈り物だろう」「病気について初めて知ったけれど、社会全体で支える仕組みが増えてほしい」といった感動と応援の声が数多く寄せられています。日本国内の患者数は1000人程度と推定されており、厚生労働省の指定難病にも登録されているこの病気は、専門医の数が少ないことも大きな課題です。だからこそ、当事者だから分かる細やかな視点でのサポートが、今まさに切実に求められています。
大きな箱に詰め込まれた「患者目線」の役立つ優しさ
2019年12月下旬に神奈川県三浦市のホテルで開催された同会の全国交流会では、同年2019年6月に生まれたばかりの男の子を育てる横浜市のご家族へ、大きな箱が手渡されました。会場は温かい祝福の拍手であふれ、男の子の父親は難病と知った時の不安を吐露しつつも、心からのお祝いに感謝の言葉を述べています。この箱は「ハッピーパッケージ」と呼ばれ、2018年からスタートしたこの活動により、これまでに東京や京都など約10家族へ届けられてきました。
パッケージに詰まっているのは、伸縮性の包帯や保湿剤、肌への刺激が少ない素材の抱き枕、タオル、靴下、そして知育玩具など約30点ものアイテムです。どれも市販の一般的なものでは代用が難しい、患者目線で使い勝手が検証された貴重な品ばかりとなっています。「高価な医療用包帯などを実際に試すことができて本当に助かった」という母親からの感謝の声もあり、実用的な支援として大きな意義を果たしていることは間違いありません。
2020年はさらに10家族分の用意を進めており、非接触型体温計や離乳食といった中身の充実を図るため、協力企業の拡大を目指しています。将来的には、子どもの入園や入学、成人の節目にも合わせたパッケージを贈るという素晴らしい構想も描かれている状況です。病気への理解を深めるためにも、こうした素晴らしい民間活動に対して、行政や社会全体がより積極的なバックアップを行うべきだと私は強く感じます。
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