【2019年業界激震】印刷用紙が21年ぶりの高値を記録!供給制限とリサイクル危機の裏側に迫る

2019年12月27日、紙業界の関係者たちが「これほど異例な年はなかった」と口を揃える激動の1年が幕を閉じようとしています。カタログやチラシに使われる「印刷用紙」の価格が約21年ぶりの高値を維持する一方で、リサイクルの主役である「段ボール古紙」は13年ぶりの安値に沈むという、極端な二極化が進んだためです。この価格変動の背景には、メーカーの戦略転換と、予測不能な環境変化が複雑に絡み合っています。

まず注目すべきは、印刷用紙の大幅な値上げです。製紙各社は2018年11月に、翌2019年1月出荷分から20%以上の価格引き上げを宣言しました。この強気な交渉は2019年2月には流通現場でほぼ受け入れられ、ロール状の「塗工紙(A3規格)」の卸価格は1kgあたり124.5円前後まで上昇しました。これは1998年5月以来の高水準であり、デジタル化で紙の需要が減り続ける中では、まさに異例の事態と言えるでしょう。

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供給削減と「利益重視」への転換がもたらした高値

需要が減っているのになぜ値上げが通ったのでしょうか。その鍵は徹底した「供給の絞り込み」にあります。例えば日本製紙は2018年5月に大規模な生産設備を停止させるなど、各社が供給能力を削ぎ落としました。これに加えて、2018年の自然災害や2019年春の工場火災が重なり、市場から在庫が消えたのです。2018年12月の在庫率は前年比で50ポイント以上も急落し、一時は東日本大震災直後よりも調達が困難な状況に陥りました。

さらに、業界全体のマインドセットが変化したことも見逃せません。かつての製紙業界は、シェア争いのために安値で叩き合うのが常態化していましたが、現在は「市況の維持」を最優先する姿勢が鮮明です。赤字脱却を目指す各社の努力が実り、主要6社の2019年4〜9月期決算では、純利益の合計が過去最高となる708億円を記録しました。無理な安売りをせず、適切な利益を確保する「健全化」が進んだ結果だと言えます。

中国の規制で一変した段ボール古紙の命運

明るい決算の一方で、深刻な課題に直面しているのが古紙リサイクルです。段ボール古紙の買値は1kgあたり5〜6円と、わずか1年で半値以下に暴落しました。この背景には、世界最大の需要家である中国の動向があります。2018年には日本からの「爆買い」で古紙不足すら懸念されましたが、中国政府が環境規制を強化し輸入を厳しく制限したことで、行き場を失った古紙が国内に溢れかえってしまったのです。

国内での段ボール需要も、米中貿易摩擦に伴う輸出機械の梱包減や天候不順の影響を受け、伸び悩んでいます。高値に沸く印刷用紙とは対照的に、古紙リサイクルの現場は今、存続の岐路に立たされていると言っても過言ではありません。編集者としては、この「持続可能な社会」を揺るがす価格の下落が、地域の回収システムを壊してしまわないか注視が必要です。業界全体がバランスを取り戻すまで、2020年も目が離せない状況が続くでしょう。

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