2020年工作機械受注の見通しは横ばい?5GやIoTが握る製造業の未来と回復へのシナリオ

製造業の景気を占う重要な指標に、大きな注目が集まっています。日本工作機械工業会の飯村幸生会長は2020年1月9日、今年の工作機械の年間受注額が2019年の実績(推定値)と同水準の1兆2000億円になるという予測を発表しました。これには、長引く米中貿易摩擦の影響で世界的に設備投資が冷え込んだ背景があります。しかし、今年の दैट 前半には受注が上向き、これ以上の悪化は防げるという見立てを示しているのです。

飯村会長は都内で開催された賀詞交換会の席で、海外市場の厳しさを認めつつも、中国経済への依存度が低い地域から需要が回復するとの期待を語りました。2020年前半に底を打ち、その後は緩やかに回復へと向かうというシナリオを描いています。SNS上でも「これ以上の下落がないなら一安心」「前半の底打ちが本当なら、株価の先行指標として注目したい」といった、先行きを冷静に見守る声が数多く上がっている状況です。

振り返れば、2019年は業界にとって試練の年でした。工作機械業界には、好不況の境界線とされる「月間受注額1000億円」という基準が存在します。この防衛ラインを2019年6月に割り込むと、2019年11月には約6年半ぶりとなる850億円未満にまで激減しました。スマートフォンの買い替え需要が鈍化したことで、中国の電子機器や精密機械向けの注文が急に途絶えたことが主な要因と言えます。

さらに、世界的な貿易摩擦の余波は、日本国内や欧米の自動車産業、一般的な工場で使われる機械の製造部門にまで深刻な打撃を与えました。足元の月間受注額が800億円から900億円あたりで推移している現状を踏まえると、今回の年間1兆2000億円という目標設定には、業界の強い願いが込められていると感じます。反転攻勢の鍵は、次世代の通信規格である「5G」関連の投資が本格化することにあるでしょう。

この動きに対して、業界大手のファナックで会長を務める稲葉善治氏は、今回の予測をやや控えめな数字だと捉えています。中国の高速鉄道網をはじめとするインフラ整備は堅調であり、自動車産業の設備更新時期とも重なるため、より力強い回復が見込めると前向きな姿勢を示しました。私は、5Gという新たなインフラが企業の投資意欲を刺激することは確実であり、この予測は十分に達成可能な現実的ラインであると考えています。

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単なる機械売りからの脱却!IoTと省人化が切り拓く製造業の新時代

一方で、楽観視できないという意見も根強く存在します。過去最高を記録した2018年の1兆8157億円という大好況の時期に比べると、現在の工場には設備が余っている感覚が否めません。そのため、以前のような爆発的な好景気に戻るにはまだ時間がかかるという冷ややかな見方もあります。こうした局面だからこそ、各メーカーは単に機械という「モノ」を売るだけのビジネスモデルから、急速に舵を切り始めています。

今、製造業で最も重視されているのが「IoT」や「省人化」の提案です。IoTとは、あらゆるモノをインターネットでつなぎ、稼働状況をデータ化して効率よく管理する技術を指します。また、深刻な人手不足を背景に、ロボットなどを導入して作業人員を減らす省人化への要求も高まっています。これらを通じて、顧客の工場全体の生産性を高める新しい価値を提供できるかどうかが、今後の勝敗を分けるでしょう。

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