平成の30年間において、日本企業は世界市場での存在感を大きく低下させてしまいました。国内総生産(GDP)の世界シェアは1991年から半分以下に落ち込み、国際競争力ランキングもかつての首位から30位へと大きく後退しているのが現状です。時価総額で世界トップ20に名を連ねていた日本企業の姿は、今や1社もありません。この深刻な経済の停滞について、多くの有識者はデフレや人口減少を理由に挙げますが、それは本質ではないと立命館アジア太平洋大学(APU)の出口治明学長は指摘します。
出口学長は、日本経済が振るわない最大の要因を「新しい産業が生まれなかったこと」だと断言されています。その象徴が、企業の評価額が10億ドルを超える、設立10年以内の未上場ベンチャー企業である「ユニコーン企業」の少なさです。世界に400以上存在するユニコーン企業のうち、日本にはわずか3社しか存在しません。米国や中国が圧倒的な数を誇る中で、この差は歴然としています。SNS上でも「これほど日本が遅れているとは思わなかった」「変化を恐れた結果だ」と、危機感を募らせる声が数多く上がっています。
新産業を創出するための「3つの絶対条件」
では、世界を席巻するような新しい企業を生み出すためには、一体何が必要なのでしょうか。出口学長は、その条件として「女性」「ダイバーシティ(多様性)」「高学歴」の3つを提示されています。かつての製造業中心の時代とは異なり、現代の主要産業であるサービス業では、消費者の大半を女性が占めているのが実態です。それにもかかわらず、中高年の男性だけでビジネスを動かしていては、市場のニーズを捉えられるはずがありません。意思決定の場に女性を増やすことは、もはや不可欠な戦略と言えるでしょう。
2つ目のカギとなるダイバーシティについても、日本の対応は急務です。ラグビーW杯での日本代表の躍進が多国籍なメンバーによって成し遂げられたように、ビジネスの世界でも多様な視点がイノベーションを引き起こします。海外のユニコーン企業は、世界中から集まった留学生や多様な人材が議論を戦わせることで成長してきました。筆者も、日本が再び輝きを取り戻すためには、従来の同質的な組織文化を脱却し、国籍や性別を問わずに優秀な人材が活躍できる土壌を整えることが最優先課題であると考えます。
世界基準の「まぜ教育」が日本を救う
こうした変革を実践しているのが、出口学長が率いるAPUです。全学生の約半分が世界92の国と地域から集まった外国人であり、教員も半数が外国人という、まさに多様性の塊のような環境を実現されています。この教育手法は「まぜ教育」と呼ばれ、日本語と英語が飛び交うキャンパスでは、国際的な認証に裏付けられた質の高い教育が提供されています。実際に、優秀な留学生たちがオックスフォード大学やハーバード大学の大学院へ進学するなど、世界基準の実績を次々と残しているのです。
出口学長は、日本の大学も秋入学への移行や英語入試の導入といった、大胆な構造改革を進めるべきだと提言されています。ネット上では「APUのような環境が日本中に増えれば国が変わる」「古い教育システムを壊す時が来た」といった共感の声が溢れていました。若者がワクワクしながら挑戦できる多国籍な環境を日本国内に創り出すことこそが、次世代のユニコーン企業を生み出し、停滞する日本経済を再び世界へと羽ばたかせる唯一の道となるに違いありません。
コメント