中学時代の部活動で出会った友人と、半世紀を超えてもなお、お互いを刺激し合える関係が続くというのは、本当に素晴らしいことではないでしょうか。埼玉県経営者協会で会長を務める石井進氏には、そんな羨むべき「生涯の友」が存在します。そのお相手は、熊谷市医師会で会長として手腕を振るう長又則之氏です。SNS上でも「これほど深く、長く続く大人の友情に憧れる」「お互いの道をリスペクトしているのが伝わって素敵」といった、感動と羨望の声が数多く寄せられています。
二人の出会いは、石井氏がなんとなく入部したという中学校の卓球部まで遡ります。当時から長又氏は、部活動やボウリング、ゲームを全力で楽しみながらも、学内での成績は常にトップクラスという驚異的な神童でした。とりわけ英語の天才であり、イギリスの哲学者であるバートランド・ラッセルが執筆した難解な英文法書を、完璧に読み解くほどの学力を持っていたのです。石井氏が「唯一数学だけは対抗できた」と振り返るほど、長又氏の知性は当時から突出した輝きを放っていました。
名門の埼玉県立熊谷高等学校を共に卒業した後、二人は全く異なる進路を選択することになります。長又氏は群馬大学医学部へと進学して医療の道を志し、一方で石井氏は千葉大学を卒業後に埼玉銀行(現在のりそなホールディングス)へと入行しました。病に苦しむ目の前の患者に寄り添う医師と、激動の経済界を生き抜く銀行員という、まさに正反対とも言える二つの人生が、ここからスタートしたわけです。
現在、長又氏は誠実さと強い正義感を胸に、患者の利益を最優先にする「患者ファースト」の精神で日々の診療に向き合っています。さらに、過疎化や医師不足などによって厳しさが増す地域医療の充実を目指し、医師会のトップとして改革に奔走する日々を送っているのです。このような現場のリアルな医療課題に対し、経済人の視点から石井氏がエールを送る姿は、現代のリーダー層における理想的な交流のあり方を示していると言えるでしょう。
歩む道が違うからこそ、自分にはない感性や物事の捉え方に気付き、心から認め合うことができるのかもしれません。そんな二人がお酒を酌み交わしながら、少年時代の懐かしい思い出話だけでなく、昨今の医学界や経済界が抱える課題について辛口の議論を交わす時間は、何物にも代えがたい貴重なひとときです。異なるバックグラウンドを持つからこそ、忖度のない本質的な対話が生まれるのでしょう。
そんな二人が2020年01月10日現在、最も熱い議論を戦わせているのが、医療分野における人工知能(AI)の活用についてです。AIとは、人間の知的な振る舞いをコンピュータに模倣させる技術のことで、近年は画像診断の補助や新薬の開発などで大きな期待を集めています。経済的な効率性を重視する銀行員の視点と、命の現場を守る医師の視点がぶつかり合う長時間の議論は、まさに未来の社会を豊かにするための有意義な時間そのものだと言えます。
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