ベートーベン生誕250年に挑む!ピアニストのイリーナ・メジューエワが魅せるピアノ・ソナタ全曲演奏会の輝き

2020年は、偉大な音楽家であるベートーベンの生誕250周年という記念すべき節目の年を迎えています。この記念すべき年に、クラシック音楽界を揺るがす壮大なプロジェクトが始動することをご存じでしょうか。京都に居を構え、独自の美学を持つロシア出身のピアニスト、イリーナ・メジューエワ氏が、ベートーベンが遺した32曲のピアノ・ソナタ全曲演奏会に再び挑むことが決定いたしました。

楽聖がその生涯を捧げて紡ぎ出したこれらの作品は、ピアノ音楽における「新約聖書」とも称されるほど、極めて重要な位置を占めています。楽譜の総ページ数は約600ページにも及び、ピアニストにとってはまさに険しい最高峰の山脈のような存在です。SNS上でも「彼女の指先から紡がれるベートーベンがまた聴けるなんて最高だ」「全曲演奏という過酷な挑戦を応援したい」といった期待に満ちた声が早くも寄せられています。

メジューエワ氏は2008年から2009年にかけて、すでに一度この頂を極めておられます。当時の経験を経て、彼女はベートーベンが常に新しい音楽を追い求めた革新的な作曲家であると確信したそうです。クラシック音楽の基本であり、提示部・展開部・再現部という3つの要素で構成される「ソナタ形式」という厳格なルールの枠組みを維持しながら、150%の熱い情熱や精神の深みを表現する才能に、心からの敬意を表されています。

作曲家自身の耳が聞こえなくなるという絶望的な状況のなかで生み出された楽曲は、時に楽器という物質的な存在すら超越しています。メジューエワ氏は、特に後期に作られた三大ソナタの「第31番の第3楽章」や「第32番」について、この世の響きとは思えないほど神聖なものであると語ってくださいました。まるで弦楽四重奏やオーケストラを想起させる圧倒的なスケール感に、聴き手も強く惹き込まれることでしょう。

一度は「恐れ多い」と感じていた偉大な存在が、全曲を演奏し終えたことで、今では人間の温かみや寛大さを感じられるほど距離が縮まったと彼女は微笑みます。10年以上の歳月が流れた今、時間とともに深まった作曲家や楽器との対話によって、さらに進化したステージを届けてくれるに違いありません。音楽を絵画や文学のように豊かなイメージで捉える彼女の演奏は、私たちの五感を心地よく刺激してくれます。

無類の歌舞伎ファンでもある彼女は、役者によって同じ演目が全く違って見える面白さを、ピアノの演奏にも重ね合わせています。2020年の公演は、大津市のびわ湖ホールで4月、6月、9月、11月に計8回開催されるほか、東京文化会館でも予定されています。1922年製のニューヨーク・スタインウェイというヴィンテージな名器が奏でる、甘く深い音色とともに、ベートーベンの深遠な世界に浸ってみてはいかがでしょうか。

コメント

タイトルとURLをコピーしました