日本の自動車産業を足元から支える大手タイヤメーカーの横浜ゴム株式会社が、2020年1月1日付けで重要となる新たな組織体制の構築と、それに伴う大規模な人事異動を鮮やかに発表しました。今回の変革における最大の注目ポイントは、私たちが普段乗る自家用車向けなどのタイヤを扱う「タイヤ国内リプレイス消費財営業部」を、第一営業部と第二営業部の二つに分割するという大胆な機構改革です。
ここで使われている「リプレイス」という専門用語は、新車時に装着されているタイヤではなく、摩耗や劣化に伴ってユーザーがカー用品店やガソリンスタンドなどで新しく買い替える「交換用タイヤ」の市場を指しています。また「消費財」とは、私たちが日常的に使用する乗用車用タイヤなどのことです。この部門を二つに分けた背景には、多様化する顧客のニーズに対して、よりきめ細やかでスピーディーな対応を展開しようという狙いが透けて見えます。
このドラスティックな組織の若返りと効率化に対して、SNS上ではビジネスパーソンを中心に多くの反響が寄せられている状況です。「年明け早々から攻めの姿勢が感じられる」「市場の変化に合わせたスピーディーな方向転換で、今後のシェア拡大が楽しみだ」といった、企業の成長に期待を寄せるポジティブな声が目立っています。さらに、各工場のトップが変わることで、製造現場のさらなる品質向上を期待するファンの声も散見されました。
今回の人事では、執行役員である矢羽田雄彦氏がタイヤ国内リプレイス営業副本部長に就任し、新設された消費財第一営業部には野村賢弘氏が、第二営業部には勝野泰介氏がそれぞれトップとして配属されています。組織を細分化して責任の所在を明確にすることは、激動する現代の自動車業界を生き抜くために極めて有効な手段であると私は確信しています。現場の指揮官が変わることで、これまでにない革新的な営業アプローチが生まれるはずです。
さらに、技術面や生産拠点の統括についても興味深い動きが見られます。タイヤ国内技術サービス部には久野信一氏が就任したほか、新城工場長には杭州優科豪馬輪胎の社長を務めていた速見健氏が呼び戻されました。このように、海外でのマネジメント経験が豊富な人材を国内の主要工場へ還流させる配置は、グローバルな視点でのモノづくりを国内組織へ浸透させるという、同社の強い意思表示の表れだと言えるでしょう。
茨城工場長には前田松太郎氏が昇格し、前工場長の本開盛道氏はホース配管技術の要職へと打って出ます。横浜ゴムはタイヤだけでなく、高圧ホースなどの優れた「ホース配管事業」も手掛けており、今回の柴野宏明氏の事業部長補佐への就任も含め、非タイヤ部門の技術力強化にも抜かりがありません。一つの事業に依存せず、複合的な強みを持つ同社の経営バランスは非常にスマートであり、今後の業績にも好影響を与えるに違いないと考えます。
海外法人への布陣も盤石であり、蘇州優科豪馬輪胎の副社長に斎藤賢介氏、ヨコハマアジアの副社長に大橋傑氏が就任しました。さらにヨコハマタイヤフィリピンの社長には永尾徹也氏が抜擢されています。IT化を推し進めるシステム開発部門の中村征希氏も含め、2020年の横浜ゴムはまさに国内外での「適材適所」を具現化した形です。この新体制が日本のモビリティ社会にどのような新しい風を吹き込むのか、これからの動向から目が離せません。
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