令和の始まりを華やかに彩る年末年始の帰省ラッシュですが、北陸エリアの足として欠かせない存在となった北陸新幹線から、非常に興味深いデータが届きました。JR西日本が2020年1月6日に発表した情報によりますと、2019年12月27日から2020年1月5日までの期間中、北陸新幹線の利用者数は前年と全く同じ33万人を記録したそうです。
この数字がなぜ驚異的なのかと言いますと、記憶に新しい2019年10月の台風19号による甚大な被害があったからに他なりません。当時の豪雨によって、長野市内にある車両基地が冠水し、新幹線車両が水に浸かってしまう「列車浸水(れっしゃしんすい)」という前代未聞のトラブルが発生したのは周知の事実でしょう。
車両の多くが廃車を余儀なくされ、今回用意できた金沢発着の列車は、前年の同じ時期と比べて50本も少ない602本にとどまる結果となりました。運行本数の減少は、本来であれば大混雑や利用者の減少に直結する死活問題のはずですが、今回は最大9連休というカレンダーの並びが、見事な救世主となったようです。
大型連休によって旅行や帰省のスケジュールが前後に上手くばらける「分散傾向(ぶんさんけいこう)」が生まれ、車内の極端な混雑が回避されました。その結果、年末の利用者は前年比2%減の16万3000人となった一方で、年始は逆に1%増の16万7000人を数え、トータルで前年並みをキープしたのです。
ネット上でもこの結果には驚きと称賛の声が溢れており、SNSでは「本数が減っても33万人を維持したのは奇跡的だ」「JRの懸命なやりくりに感謝したい」といった投稿が相次いでいます。限られた車両を効率よく運用した鉄道マンの努力と、賢く時期をずらした乗客の知恵が結実した素晴らしい成果と言えます。
特に東京方面へと向かう上り列車の混雑は、2020年1月4日にその頂点を迎え、1日あたりの乗車人数は2万6000人にまで膨れ上がりました。これは北陸新幹線が2015年に金沢まで開業して以来、歴代4位となる非常に高い記録であり、北陸と首都圏を結ぶ大動脈としてのプライドを改めて見せつけた格好です。
台風の爪痕が残る中での運行は決して平坦な道のりではなかったはずですが、この粘り強さこそが日本のインフラの底力ではないでしょうか。不測の事態でも柔軟に対応し、多くの人々の移動を支え切った北陸新幹線には、メディアとしても心からの拍手を送りたいですし、今後の完全復旧がますます楽しみになります。
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