高梨沙羅が札幌で5位!スキーW杯ジャンプ女子の現在地と蔵王での復活に期待が高まる理由

2020年1月13日に開催されたスキーワールドカップ(W杯)女子ジャンプ札幌大会にて、日本のエースである高梨沙羅選手が5位にランクインしました。前日とはガラリと変わり、この日の大倉山ジャンプ競技場は絶え間なく向かい風が吹き抜ける、まさにジャンプ日和といえる絶好のシチュエーションを迎えます。特に2回目の試技では、出場選手の中でも群を抜いて有利な強い風が味方しました。

高梨選手自身も「昨日より納得のいくジャンプが披露できた」と手応えを口にしています。しかし、この好条件と優れた感覚が上位への表彰台という結果に直結しないあたりに、現在の彼女が直面している苦しい戦いぶりが滲み出ているようです。空中での攻防を分ける重要な指標であるK点(120メートル)を大きく越える130メートルの大ジャンプを魅せたものの、この記録は全体で7位の数値に留まりました。

SNS上では「沙羅ちゃんならここから絶対に巻き返せる!」「風を味方につける難しさを痛感するけれど、応援し続けたい」といった熱いエールが数多く飛び交っています。今大会は、ノルウェーのマーレン・ルンビ選手が2回目に139.5メートルという女子W杯のジャンプ台記録を塗り替える一方で、オーストリアのエヴァ・ピンケルニヒ選手が首位を死守するという、非常に高レベルな空中戦が展開されました。

ここで専門用語について少し解説を加えておきましょう。スキージャンプで耳にする「ヒルサイズ」とは、ジャンプ台の安全な着地限界地点を示す基準のことです。このラインを越える大ジャンプを飛びつつ、テレマーク姿勢と呼ばれる、両足を前後に開き腕を水平に広げる美しい着地ポーズを決めなければ、世界トップ集団との過酷な採点レースで勝利を掴み取ることは極めて難しいのが現状です。

高梨選手本人も「ヒルサイズを超えた上で、完璧なランディングを決めないと勝負にならない」と、世界の高い壁を冷静に見据えています。現在の主な課題は、今シーズンから新しく導入したスキー板のコントロールにあるようです。機材の変更は選手の感覚を大きく左右するため、「まだ空中での操作が完全に馴染んでいない」という本人の言葉通り、向かい風の恩恵を爆発的な推進力へ変換しきれませんでした。

編集部としては、この過渡期こそが彼女のさらなる進化に向けた重要なステップであると考えています。道具の調整と本人の技術が噛み合った瞬間、再び世界を驚かせるビッグジャンプが見られるはずです。札幌と蔵王で繰り広げられる待望の国内凱旋4連戦ですが、実は2016年を最後に地元での勝利から遠ざかっています。だからこそ、ファンは彼女の劇的な復活劇を今か今かと待ち望んでいるのです。

次戦の舞台となる蔵王は、深刻な雪不足により一時は開催自体が危ぶまれていましたが、関係者の尽力により無事に実施される運びとなりました。そこは8年前、高梨選手がW杯初優勝という記念すべき偉業を成し遂げた、非常に縁の深い思い出の場所です。苦境を乗り越え、聖地とも言えるあの雪原の空で、再び誰よりも輝かしい笑顔を見せてくれることを心から期待しましょう。

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