沖縄の国際通りに新たなランドマーク誕生!百貨店跡地を復活させた「横丁ルネサンス」の仕掛け人とは? ── 地方創生・外食ビジネス最前線

沖縄・那覇市の中心部として知られる国際通りのど真ん中に、新たな活気をもたらす一大ランドマークが出現しました。かつて地域に親しまれた「沖縄三越」の跡地ビルに、2019年12月16日、個性豊かな11の飲食店が集う「国際通り横丁」が華々しくグランドオープンを迎えたのです。一歩足を踏み入れると、そこには昭和レトロな飲み屋街と現代の屋台村が融合したかのような、エネルギッシュな空間が広がっています。行き交う人々を歓迎する威勢の良い声が飛び交うこの場所は、早くも多くの来訪者を魅了している模様です。

SNS上でも「三越の跡地がめちゃくちゃお洒落で楽しそうな空間に変わっている」「沖縄にいながら全国の名店の味をはしご酒できるのが最高すぎる」といった喜びの声が続々と上がっています。今回登場したテナントは全国区の有名店ばかりで、そのうち6店舗が沖縄初進出という豪華なラインナップとなりました。すし居酒屋やうどん酒場、カウンター焼き肉に加え、地元企業が手掛けるソフトタコスのバーまで、実にバラエティ豊かです。各店舗に明確な仕切りがないため、開放的な雰囲気の中で次のお店へとついつい足を運びたくなる仕掛けになっています。

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徹底された空間作りがもたらす絶大な効果

この劇的なリニューアルに対し、地元の買い物客からは「以前の静かだった印象から一転して、気軽に立ち寄りやすい雰囲気になった」と驚きの声が届いています。さらに、海外からの観光客や米軍関係者なども数多く訪れており、まるで国際色豊かなフリーマーケットのような賑わいを見せているのです。このフロアの隣には、2019年10月下旬に先行して開業した「那覇市場」があり、地元の卸業者が新鮮な食材を販売する傍らで、絶品のステーキやすしを提供して人気を博しています。

そして2020年2月には、地下1階に地元の名店が集う「琉球横丁」と、全国の精鋭が集結する「沖縄元祖ラーメン横丁」が新たに仲間入りする予定となっています。これら4つのエリアを総称して「国際通りのれん街」と呼び、約3000平方メートルに及ぶ広大な食の殿堂が完成することになります。これほど大規模な飲食専門の商業施設を誕生させたのは、年間200件もの店舗プロデュースを手掛ける「スパイスワークスホールディングス」です。

異色の経歴を持つリーダーと、信頼が生む健全な競争

同社を率いるのは、飲食店の設計士から料理人に転身し、海外修業を経てフレンチのシェフまで経験したという異色の経歴を持つ下遠野亘社長です。この事業では、10年の定期借地権(契約期間満了時に土地を更地にして返還する借地契約)を設定し、総額約10億円の投資のうち約4割を自社で負担するという、並々ならぬ覚悟で開発に臨んでいます。すでに那覇市場のステーキ店が月商1500万円を記録するなど、その出足は非常に好調といえるでしょう。

スパイスワークス流の街おこしの秘訣は、自社によるトータルデザインと、他社テナントとの共存にあります。国際通り横丁の11店舗のうち、直営とグループ店は5店舗にとどめ、残りは信頼関係で結ばれた他社に運営を委ねているのです。これは、すべてを自社で抱え込むと競争意識が薄れて活気が失われてしまう、という下遠野社長の鋭い経営哲学に基づいています。互いの実力を知り尽くした仲間でありながら、切磋琢磨し合うライバルでもあるという絶妙なバランスが、施設全体に心地よい緊張感と熱気を生み出しています。

編集部が読み解く「横丁ビジネス」が持つ地方創生の可能性

今回の沖縄三越跡地の再生劇は、全国の地方都市が抱える「中心市街地の空洞化」という深刻な課題に対して、極めて有効な一石を投じたと私は確信しています。従来の物販を中心とした商業施設では、インターネット通販の普及などもあってテナント誘致が困難を極めるケースが少なくありません。しかし、その土地でしか味わえない「体験」と「食」を提供する横丁スタイルであれば、地元住民と観光客の双方を強力に惹きつけることが可能になります。

単に場所を貸し出すだけでなく、一つの世界観を統一して作り上げ、さらに出店者同士が信頼のもとで競い合う仕組みこそが、持続可能な賑わいを生む鍵なのでしょう。さらに2階フロアでは、インバウンド(訪日外国人旅行者)の富裕層をターゲットにした高級レストラン街の構想も進んでおり、今後の展開から目が離せません。この沖縄での成功モデルが呼び水となり、全国各地のシャッター街や商業ビルが活気ある場所へと生まれ変わる「横丁ルネサンス」が加速していくことを大いに期待しています。

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