近年、毎年のように日本を襲う大規模な自然災害。2020年01月15日、SOMPOホールディングスの桜田謙悟社長は、これらの一連の災害がもはや一時的なものではなく、日常化した「ニューノーマル(新常態)」であると指摘しました。かつては規模の拡大を競っていた損害保険業界ですが、今や一転して丁寧な利益管理が求められる大転換期を迎えています。
特に私たちが日常で加入している火災保険は、実は損保大手の合算で何年も赤字が続いている深刻な状況です。SNSでも「毎年のように保険料が上がって家計が苦しい」「水害リスクが高い地域だと将来的に保険に入れなくなるのでは」といった不安の声が多数上がっており、制度の持続可能性に対する国民の関心は非常に高まっています。
崩壊の危機に瀕する「相互扶助」の精神と保険料の地域格差
ここで言う「参考純率」とは、保険会社が保険料を決める際、過去のデータに基づいて算出する共通の目安のことです。しかし、近年の災害多発によって保険料の値上げが追いつかない現状があります。さらに、水害リスクに応じて地域ごとに保険料を細分化すべきという議論もありますが、これには慎重な議論が必要です。
なぜなら、リスクが高い地域だけ保険料を跳ね上げてしまうと、困ったときにお互いを支え合うという保険本来の「相互扶助」の哲学を否定しかねないからです。アメリカの一部地域のように、被災リスクが高すぎるために保険の引き受けを拒否されるという最悪の事態は、日本でも決して人ごとではないでしょう。
私は、こうした課題を民間企業だけに背負わせるのには限界があると考えます。地震保険のように、風水害に関しても政府が関与する仕組みを前向きに議論すべき時期ではないでしょうか。もちろん保険会社自身も、まずは経費削減などの企業努力を徹底し、私たち消費者に納得感のある形で持続可能な制度を再構築していくことが不可欠です。
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