低インフレ・低失業率は「新常態」へ!米景気拡大が示唆する2019年以降の経済新指標

2019年12月13日現在、アメリカ経済は過去最長とも言える景気拡大の真っ只中にあります。驚くべきことに、失業率が歴史的な低水準を記録している一方で、物価の上昇を指す「インフレ率」は極めて低いまま推移しています。通常、景気が良ければ物価は上がるものですが、この常識を覆す現象が世界中の専門家を驚かせているのです。

この状況について、米ピーターソン国際経済研究所のアダム・ポーゼン所長は「過度な心配は不要だ」と断言します。SNS上でも「これまでの教科書が通用しない時代が来た」といった驚きの声や、「生活コストが上がらないのは助かる」という前向きな反応が目立っています。実はこの現象、過去に深刻な金融危機を経験した国々では共通して見られる兆候なのです。

ポーゼン氏は、1990年代に経済的な苦境を味わった日本やカナダ、スウェーデンを例に挙げました。これらの国々では、危機から立ち直った後に、穏やかで息の長い景気回復が続く傾向があるのです。大きな衝撃を受けた反動で、経済が無理のないペースで成長し続ける「成熟した回復」の姿が、今のアメリカにも重なっていると分析できるでしょう。

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「ニューノーマル」が導く安定した未来への処方箋

金融危機の後、人々や企業は「バランスシート(資産と負債の状況)」を慎重に見直すようになります。リスクを避けようとする意識が働くため、労働者は高い賃上げよりも雇用の安定を優先し、企業も無謀な投資を控えるようになります。こうした慎重な行動様式こそが、インフレを抑制し、バブルの再発を防ぐ「防波堤」の役割を果たしているのです。

日本は2003年以降、大規模な金融緩和を行っても急激なインフレが起きないことを身をもって証明してきました。一部では中央銀行の資産拡大を危険視する意見もありますが、実情はそれほど悲観的なものではありません。歴史を振り返れば、私たちが恐れている高インフレが長く続いた期間は、過去100年の中で意外にも短いことが分かります。

確かに、生産性の伸び悩みという課題は残されていますが、これは景気拡大の良し悪しとは別の次元の問題です。むしろ、低金利と安定した雇用が続く現在の状況は、もはや「ニューノーマル(新常態)」として受け入れるべきステージに来ています。私は、この穏やかな成長こそが、不確実な現代における一つの理想形なのではないかと考えています。

過度に危機を煽る言説に惑わされる必要はありません。これからは、大きな変動に一喜一憂するのではなく、この「新しい当たり前」の中でいかに着実に価値を積み上げていくかが問われるでしょう。経済の常識がアップデートされた2019年の年末。私たちは今、かつてないほど安定した構造的な景気拡大の波に乗っているのかもしれません。

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