2020年の時計業界は、テクノロジーの進化と本物志向の二極化が一段と進みそうな気配を見せています。シチズン時計の佐藤敏彦社長は、スマートウォッチの市場がさらに拡大する一方で、手頃なファッションウォッチは苦戦を強いられると分析しているのです。しかし、ただ技術に頼るだけではなく、高い付加価値を持つ特別なタイムピースこそが、これからの時代に選ばれると自信を覗かせます。人生の節目で時計を見つめるという、人間らしい情緒的な行為は決して色褪せないと考えているのでしょう。
実際に東京・銀座にある直営店では、高価格帯のモデルが非常に好調な売れ行きを記録しています。なかでも、世界最高峰の精度を誇る「ザ・シチズン」や、驚異的な薄さを実現した光発電時計「エコ・ドライブ ワン」への注目が集まっているのです。ちなみに「年差1秒」という言葉は、1年間でたった1秒しかズレないという、驚異的な時計の正確さを表す専門用語になります。この究極の精度が、手にした人々に自分自身の貴重な「1秒」の重みを問いかけ、新たな価値観を生み出しているのでしょう。
SNS上でも「年差1秒の時計なんて、ロマンが詰まりすぎている」「一本の重みが違う」といった熱い書き込みが相次いでおり、モノ消費からコト消費へのシフトが鮮明になっています。同社が展開する、全国約30店舗の特別な空間「プレミアムドアーズ」では、こうした高級時計の魅力を余すことなく発信していく方針です。利便性だけを追い求める現代だからこそ、職人の技が光る逸品に身を包む贅沢が、多くの人々の心を捉えて離さないのかもしれません。
自分らしさを形にする「パーソナライズ」と世界をリードするチタン技術
現代のビジネスにおいて欠かせないキーワードとして、佐藤社長はサステナビリティや多様性、そしてパーソナライズを挙げています。ここでいうサステナビリティとは、環境を破壊せず地球を維持し続ける持続可能性のことです。シチズンでは、4万通りの組み合わせから自分だけの特別な時計を選べる「ファイン・チューニング」という画期的なサービスを始動させました。自分で時計を設計していく体験そのものに価値を見出す、新しい時代の購買スタイルを提案しているのです。
さらに、2020年は世界初のチタン製腕時計が誕生してから、ちょうど50周年の節目を迎える記念すべき年でもあります。チタンは金属アレルギーが起こりにくく、非常に軽くて着け心地が良いという、人間の体に最も優しい優れた素材なのです。ネット上でも「シチズンのチタンは本当に軽くて疲れない」「50周年モデルが待ち遠しい」と、早くも時計ファンの期待感が高まっています。同社が培ってきた独自技術を結集した、魅力的な新商品の展開から目が離せません。
一方で、今後の時計作りに欠かせないのが、職人の魂が宿る「機械式腕時計」の強化だといえます。機械式時計とは、電池を使わずにゼンマイの巻かれる力だけで針を動かす、伝統的な仕組みの時計のことです。今後は5万円前後のカジュアルな価格帯ではなく、少しリッチな高級ラインをシチズンブランドとして本格的に育てる計画が進行しています。開発から販売まで一貫したストーリーを紡ぎ、本物を求める消費者の手元へ届ける挑戦が始まろうとしているのです。
充電不要の革新!針付きスマートウォッチがもたらす新しい絆
2019年末に満を持して投入された「針付きスマートウォッチ」は、なんと事前の想定を2倍も上回る大ヒットを記録し、最高のスタートを切りました。文字盤に本物の針があることで、通常の美しい腕時計としてもデザインを堪能できるのが最大の強みです。しかも、シチズンが誇る独自の光発電技術が搭載されているため、スマートウォッチの宿命だった「毎日の充電の手間」から完全に解放されるという、まさに時計メーカーだからこそ成し得た大発明といえます。
この画期的な新製品に対し、ネットでは「スマートウォッチなのに充電がいらないなんて最強すぎる」「アナログの針がある安心感がいい」と大絶賛の声が寄せられているのです。しかし、佐藤社長は現状に満足することなく、購入後のサービスを充実させるという、時計業界の伝統的な「売り切り型」ビジネスからの脱却を模索しています。今後は、時計を買った後もユーザーをワクワクさせ続ける仕組みを作り、他社との協業も視野に入れながら、より便利な未来を築いていくのでしょう。
世界的なスポーツの祭典が控える2020年は、スポーツ向け腕時計「プロマスター」への問い合わせも増えており、ブランドの勢いは増すばかりです。近年注目を集めるテニスの大坂なおみ選手の活躍とともに、同社の世界的な存在感はさらに高まっていくに違いありません。単なる時間を知る道具を超えて、人々の生き方や個性を彩るパートナーへと進化を遂げるシチズン時計の取り組みは、私たちのライフスタイルをより豊かに変えてくれるでしょう。
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