2019年6月26日、アジア地域における統合型リゾート(IR)開発の熱狂ぶりが、カンボジアのカジノ運営大手ナガコープの動向から鮮明になりました。同社のティモシー・マクナリー会長が語ったのは、観光客倍増を見据えた壮大な計画です。アジア各国でIRへの巨額投資が相次いでいる今、ナガコープが打ち出す大胆な事業戦略は、地域の観光市場をどのように塗り替えるのでしょうか。
マクナリー会長によると、カンボジアは長らく政治的な不安定さが指摘されてきましたが、その状況は劇的に変化しています。その結果、外国人観光客数は右肩上がりに増加しており、2018年には620万人を記録しました。政府はこの勢いをさらに加速させ、2025年までには1,200万人へ、つまりほぼ倍増させるという非常に意欲的な目標を掲げています。
この驚異的な増加の最大の牽引役として期待されているのが、中国人観光客です。2025年の目標1,200万人のうち、550万人、つまり全体の約半数を中国人客が占めると予測されています。この背景には、国際航空便の増加といった交通インフラの着実な改善が見逃せません。さらに、マカオの仲介業者が超富裕層(資産を多く持つ非常に裕福な層のこと)をカンボジアへ誘致していることに加え、マレーシアやシンガポールからの訪問客も増加傾向にあるとのことです。
カンボジアのIR開発:ナガコープ「ナガ3」計画の全貌
ナガコープが発表した大規模な投資計画「ナガ3」は、その投資額から見ても、アジアのIR開発競争において一石を投じるものと見られています。マクナリー会長は、富裕層の増加だけが投資の理由ではない、と強調していらっしゃいます。ナガ3は、単にギャンブルを楽しむためのカジノ施設に留まらず、幅広い娯楽を提供する「統合型リゾート」としての機能に重点を置いています。
当社がプノンペン(カンボジアの首都)において2035年までカジノ運営の独占権(他の追随を許さない、その地域で唯一の運営権)を持つという強みは、この計画を支える大きな柱です。独占権の存在は、市場における優位性を長期にわたり確保できることを意味しており、非常に有利なポジションにあると言えるでしょう。
この巨額の投資計画が発表された後、一部ではナガコープの株価が下落したとの報道も見受けられました。しかし、マクナリー会長は株価の一時的な変動に惑わされることなく、「株価ではなく事業戦略にフォーカスして計画を決めている」との強い姿勢を示していらっしゃいます。ホテルなどの建設計画は、拡大する観光需要やビジネスの伸びに見合うものであり、「無謀なリスクは取らない」と、その確信を表明されていました。
私自身の意見としては、アジア各国、特にカンボジアや日本をはじめとする地域でのIR開発は、単なる経済効果に留まらず、地域の雇用創出や文化的な交流の促進にも寄与する大きな可能性を秘めていると考えられます。しかし、ナガコープのように独占的な地位を持つ企業が、その力を背景に、カジノ以外の多様なエンターテイメントやレジャーを提供し、IR本来の魅力を高めることが、持続的な成長には不可欠でしょう。超富裕層だけでなく、一般の観光客にも魅力的な要素をどう提供していくのかが、今後の鍵を握ると思われます。
このナガコープの動向に対し、SNS上でも大きな反響が寄せられています。特に「2025年までに外国人観光客を倍増、しかも半分が中国人というのは、かなり大胆な予測だ」「カンボジアの観光業の成長スピードは驚異的。日本のIRもこれくらいアグレッシブな戦略が必要なのではないか」といった、驚きと期待の声が多く見られます。また、「プノンペンの独占権は強力な武器だ。この優位性を活かして、単なるカジノではない、真のIRを目指してほしい」という、事業戦略への評価も見受けられる状況です。

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