グリーンスパン氏が語る資本主義の未来!中国経済の行方と世界が直面する長期停滞の処方箋とは

かつてアメリカの金融政策を司る連邦準備理事会(FRB)の議長として、長きにわたり世界経済を牽引したアラン・グリーンスパン氏。物価を安定させ「マエストロ(巨匠)」と称賛された彼が、2020年1月6日、現代の資本主義が直面する深刻な機能不全と未来への道筋を語りました。SNS上では「93歳にしてこの洞察力は凄まじい」「耳が痛い指摘ばかりだ」と、その鋭い分析に大きな反響が寄せられています。グリーンスパン氏は、現在の世界的な経済の停滞について、高齢化に伴う社会保障費の膨張が主因であるとズバリ指摘しています。

彼が特に懸念しているのは、社会保障のコスト増大が国の貯蓄を食いつぶし、民間企業へ回るべき投資マネーを過去半世紀にわたって減少させている事実です。これにより日米欧の成長力が鈍化し、未曾有の金融緩和を行っても投資が増えないという悪循環に陥っています。この現状を打破するために必要なのが「創造的破壊」です。これは経済学者のシュンペーターが提唱した言葉で、古い仕組みを淘汰して全く新しいイノベーションを起こすことを意味します。福祉の肥大化を見直し、民間主導のダイナミックな活力を取り戻すことこそが最優先課題でしょう。

スポンサーリンク

中国の台頭と貿易摩擦がもたらすリスク

急成長を遂げる中国について、グリーンスパン氏はかつて朱鎔基元首相と親交があり、改革開放の助言を行っていたことを明かしました。彼は、中国が市場を経済的に自由化していけば、いずれ欧米を追い抜く可能性があると予測しています。しかし、現在の共産党による統制強化の動きには強い懸念を隠しません。自由な言論や行動が制限される環境では、これまでの成長を支えた「型破りな革新」は生まれにくくなるからです。国家の過剰な介入は、結果として経済の自律的な発展を阻害してしまうと考えられます。

さらに、トランプ米政権が仕掛けた中国との貿易戦争に対しても、同氏は非常に冷ややかな視線を向けています。「この戦いでは両国とも敗者になる」と断言し、制裁関税の重荷が企業や消費者にのしかかることで、貴重な民間投資がさらに冷え込むと失望を表しました。足元のアメリカ経済は緩やかな拡大を維持しているものの、株価はすでにピークに近く、もし市場が10%下落すれば、国内総生産(GDP)を1%も押し下げてしまうという具体的な試算を示し、現在の市場の過熱感に強い警戒を呼びかけています。

低金利の構造化と基軸通貨ドルの危機

2008年の世界金融危機を招いた低金利政策の張本人として批判されることもある同氏ですが、当時の問題は銀行の自己資本不足によるものであり、過度な金融規制には今でも反対の立場を崩していません。今後の見通しとして、世界的な低金利は構造的に続くと予想しています。なぜなら、高齢化によって年金などの巨大なマネーが、20年や30年といった超長期債へ向かうためです。この需要が長期金利を押し下げるため、現在1.8%程度であるアメリカの長期金利が、日本や欧州のようにマイナス圏に突入する可能性も否定できないとしています。

アメリカ経済は11年目という過去最長の景気拡大期を迎えていますが、同時に格差も戦後最大規模に広がっています。富の再分配を掲げる政治的動きに対し、グリーンスパン氏は「過度な増税は経済効率を落とす」と苦言を呈しました。現在のアメリカは、膨大な財政赤字を海外からの資金に依存して補っている危機的な状況です。もし長期停滞によって世界からの信頼が揺らげば、基軸通貨としてのドルの地位や、世界経済のリーダーとしての座を失いかねません。私たちは今、資本主義のシステムを本気で見直すべき岐路に立たされています。

コメント

タイトルとURLをコピーしました