2020年1月06日、日本の教育界はかつてない激動の1年を迎えています。これまでの大学入試改革が大きな転換期を迎え、受験生や保護者の間では不安と期待が入り混じる複雑な心境が広がっている状況です。SNS上でも「結局どうなるの?」「振り回される学生がかわいそう」といったリアルな困惑の声が多数寄せられており、注目度の高さがうかがえます。国が進める新たな教育への挑戦は、今まさに土台からの仕仕切り直しを迫られていると言えるでしょう。
文部科学省は、大学入学共通テストにおける英語民間試験の活用を2019年11月に見送る決断を下しました。大学入学共通テストとは、従来のセンター試験に代わって2021年1月から導入される新しい共通入試のことです。記述式問題の導入も2019年12月に無期限延期となり、受験生の思考力を測るという当初の目玉方針は大きな壁にぶつかっています。誰もが公平に受けられる試験環境をどう整えるかという本質的な課題が、今改めて浮き彫りになりました。
英語4技能の測定と記述式問題が抱えるジレンマ
これまでの入試で中心だった「読む・聞く」に加え、「書く・話す」の力を合わせることで英語の4技能を総合的に評価することが今回の改革の狙いでした。しかし、一斉に50万人以上が受験する巨大な試験において、話す力を正確に採点するのは容易ではありません。民間試験の活用は、受験場所の地域格差や受験費用の経済的負担という不平等さを解消できず、議論は平行線をたどっています。現場の混乱を避けるためにも、より丁寧な仕組み作りが求められます。
私は、入試改革の理念自体は非常に素晴らしいものであると考えています。グローバル化が進む現代において、自分の意見を発信する記述力や英語のコミュニケーション能力は必須のスキルだからです。だからこそ、採点ミスのリスクや不公平感を残したまま見切り発車をするべきではありません。国は現場の声に真摯に耳を傾け、受験生が安心して実力を発揮できる確実な制度を再構築すべきだという確信が、私にはあります。
2020年度から小学校で本格始動する新学習指導要領
入試が変わる一方で、学校の授業内容そのものも2020年度から大きく変化していきます。約10年ぶりに改訂された国の教育基準である学習指導要領により、小学校ではプログラミング教育が必修化されることになりました。これは高度なコードを書くためではなく、論理的に物事を考える「プログラミング的思考」を育てるための試みです。同時に、小学校5・6年生では英語が正式な教科へと昇格し、成績評価の対象となる新しい時代が幕を開けます。
高校の現場においても、2022年度の全面導入に向けて新しい学びの形への移行が始まっています。2019年度からは「総合的な学習の時間」が、より探究型の「総合的な探究の時間」へと生まれ変わりました。地域社会のリアルな課題を見つけ、その解決策を生徒自らが主導して考えるという実践的なカリキュラムです。これからの時代を生き抜くために必要な、自ら問いを立てて行動する力が、授業を通じて育まれることが期待されています。
家庭の負担を軽減する高等教育の無償化が4月からスタート
子育て世代にとって非常に頼もしいニュースとなるのが、2020年4月から開始される高等教育の無償化制度です。経済的な理由で大学などへの進学を諦めることがないよう、国が授業料の減免や返済不要の給付型奨学金でサポートを行います。住民税非課税世帯を基準として、世帯収入に応じた3段階の手厚い支援が用意されました。2020年度の新入生だけでなく、すでに在学している先輩学生も対象となる点が大きな魅力です。
さらに高校生向けの支援もパワーアップし、私立高校の授業料も実質無償化の枠組みが広がります。年収約590万円未満の世帯を対象に、支給される就学支援金が私立高校の平均授業料と同等の年額39万6000円まで引き上げられることになりました。入試の仕組みが揺れ動く不透明な時期だからこそ、このような経済的なセーフティネットが整備される意義は極めて大きいです。すべての子供たちが希望の進路へ進める社会の実現へ向けて、確かな一歩となるでしょう。
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