大学入学共通テストの記述式導入が見送りへ!揺れる2020年度入試改革の舞台裏と受験生への影響

2020年度からスタートする予定の「大学入学共通テスト」が、今まさに大きな転換点を迎えています。文部科学省は、目玉の一つであった国語と数学の記述式問題について、初年度の導入を見送る方向で調整に入りました。2019年12月05日、関係者への取材で明らかになったこの動きは、教育界に大きな衝撃を与えています。

今回の検討の背景には、採点の公平性を担保するのが極めて困難であるという深刻な懸念が存在します。特に約50万人もの受験生を相手にする試験において、記述内容を短期間で正確に評価できるのかという問いに対し、明確な答えは出ていません。SNS上でも「人生を左右する試験で採点ミスは許されない」といった、受験生や保護者からの切実な声が溢れています。

スポンサーリンク

相次ぐ看板政策の頓挫と政治の動き

文部科学省は2019年11月にも、英語民間試験の活用見送りを発表したばかりです。もし国語と数学の記述式まで延期となれば、今回の大学入試改革を象徴する二大施策が揃って姿を消すことになります。2019年12月05日には公明党が導入延期の検討を求める提言書を提出しており、政治的にも「国民の理解が得られていない」という判断が下されつつあるようです。

萩生田光一文部科学大臣は、結論を出すリミットについて「年内が限界」という認識を示しました。一方で、対外的には「延期を決定した事実はない」と慎重な姿勢を崩していません。しかし、受験生が安心して試験に臨める環境を第一に考えるのであれば、一刻も早い正確な情報開示が求められるのは言うまでもないでしょう。

記述式試験が抱える構造的な欠陥

そもそも記述式問題とは、従来のマークシート方式(選択肢から正解を選ぶ形式)では測りきれない「思考力」や「表現力」を評価するために計画されました。国語では80字から120字程度の論述が、数学では数式の記述が求められる予定です。一見、教育の質を高める素晴らしい試みに見えますが、運用の現場にはあまりに多くのハードルが立ちはだかっています。

最も大きな問題は、8千人から1万人もの採点者を確保しなければならない点です。中にはアルバイトが含まれる可能性も指摘されており、「採点の質」をどう維持するかという疑問は解消されていません。また、2018年に実施された試行調査では、自分の書いた答えと実際の採点結果が一致した割合が国語で約7割にとどまるという、驚くべき結果が出ています。

自己採点が正確にできないということは、受験生が出願先の大学を選ぶ際に、誤った判断をしてしまうリスクを孕んでいます。私個人としては、教育改革の理念には賛同するものの、これほど不確定要素が多い仕組みをぶっつけ本番で導入するのは、あまりに無謀だと感じざるを得ません。現場の混乱を顧みない改革は、時に罪深いものになるのではないでしょうか。

コメント

タイトルとURLをコピーしました