大学共通テストの記述式採点をめぐる波紋!ベネッセのPR活動が招いた「中立性」への疑念と教育の未来

日本の教育界が大きな転換期を迎えるなか、2021年01月に実施予定の「大学入学共通テスト」をめぐり、穏やかではないニュースが飛び込んできました。今回の騒動の主役は、記述式問題の採点業務を受託している教育大手、ベネッセコーポレーションです。同社が高校向けのプロモーション資料において、国から業務を受託している事実を大々的にアピールしていたことが、2019年11月20日に明らかとなりました。

この問題の端端を発したのは、2017年に同社が開催した高校向けの研究会です。自社サービスの紹介とともに配布された資料には、「記述式採点アドバイザリー業務受託」という一文が堂々と刻まれていました。これは、大学入試センターに対して記述式問題の試行調査に関するノウハウを提供し、助言を行う立場にあることを示すものです。民間企業が公的な試験の運営に関わり、それを営業活動に利用する姿勢が今、厳しく問われています。

SNS上ではこの件に対し、「試験を作る側が対策講座を売るのは不公平ではないか」「教育格差がさらに広がる」といった批判の声が相次いでいます。特定企業のサービスを利用している生徒が有利になるのではないかという、受験生や保護者の切実な不安が、インターネットを通じて瞬く間に拡散されました。公平性が命であるはずの大学入試において、一企業の影響力がここまで色濃く出ることへの拒絶反応は、予想以上に強いものと言えるでしょう。

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萩生田文科相が「厳重抗議」を表明した背景と今後の課題

こうした事態を受け、萩生田光一文部科学大臣は2019年11月20日の衆院文科委員会にて、「採点業務の中立性や信頼性に疑念を招く行為であり、厳重に抗議したい」と強い言葉で批判しました。野党側からは、自社の利益のために公的な立場を利用する「利益相反」であるとの厳しい指摘が飛んでおり、事態は政治問題へと発展しています。文部科学省はただちに契約違反とは断定しなかったものの、同社へ是正を求める異例の事態となりました。

私自身の意見としては、教育のデジタル化や記述式導入において民間企業のノウハウを活用すること自体は、時代の流れとして理解できます。しかし、その立場を営業の「ハク付け」に利用することは、試験の神聖さを著しく損なう行為だと断じざるを得ません。受験生は人生をかけて試験に挑んでいます。その舞台を支える側には、利益追求以上に、圧倒的な潔癖さと公共心を持って業務に邁進する責任があるのではないでしょうか。

ここで言う「利益相反」とは、ある立場から得られる利益と、もう一つの立場での義務が衝突してしまう状態を指します。採点者という「審判」の立場に近い企業が、受験生という「選手」を勧誘する構図は、やはり健全とは言えません。2021年01月の本番では、ベネッセの関連会社である「学力評価研究機構」が国語と数学の採点を担う予定ですが、一度失われた信頼を取り戻すのは容易なことではないでしょう。

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