冬の寒さが厳しい季節、暖房でぽかぽかに暖まったお部屋でいただく冷たいアイスクリームは、まさに至福のひとときですよね。ふとパッケージの裏側を眺めたとき、製造番号は書かれているのに賞味期限の記載が見当たらないことに気づいた経験はありませんか。SNSでも「アイスの賞味期限ってどこ?」「何年も前のものが冷凍庫から出てきたけれど大丈夫?」と、疑問に思う方の声が多数上がっています。実は、一緒の冷凍庫に並んでいる冷凍食品にはしっかりと期限が刻まれているのに、アイスには書かれていない不思議な秘密があるのです。
食品のルールを定めた食品表示基準において、冷凍食品には賞味期限を記載することが義務づけられています。一般社団法人日本冷凍食品協会によると、マイナス18度以下での保存を前提として、お魚のフライなら12か月から18か月、チャーハンなどの米飯類なら12か月から15か月が美味しく食べられる目安とされているようです。原材料に肉や魚、野菜など多種多様な素材が使われているため、いくら凍らせているとはいえ、長期間が経過すると風味が落ちるなどの品質変化が避けられないことが大きな理由に挙げられます。
なぜアイスは賞味期限を省略できるのか
一方で、アイスクリームにはなぜ期限がないのでしょうか。その答えは、食品表示基準で期限の記載を省略できる例外として認められているからです。アイスクリームはマイナス18度以下の環境で適切に保管されていれば、品質の劣化につながる細菌が繁殖することはありません。長期間にわたって冷凍保存を続けても、品質の変化が極めて少ない食品であると科学的に証明されているのです。そのため、日付を記す代わりに「ご家庭ではマイナス18度以下で保存してください」といった注意書きを載せることが義務づけられています。
ここで専門用語である「食品表示基準」について簡単に解説しましょう。これは、私たちが口にする食品の安全性や正しい選択を守るために、国が原材料やアレルギー、賞味期限などの表示義務を細かく定めたルールのことです。アイスクリームはこの厳しい基準において、長期間の保存でも状態が極めて安定している「優等生」な食品として特例が認められているわけです。しかし、どれほど変化しにくい食品だとしても、一般的な家庭の冷蔵庫は毎日のように扉が開け閉めされるため、庫内の温度を一定に保つことが非常に難しいという現実があります。
一度でもアイスが溶けてしまうと、なめらかな食感や心地よい口当たりを生み出すために含まれている大切な「空気」が外へ抜けてしまいます。再び凍らせたとしても元の美味しさに戻ることはなく、シャリシャリとした残念な食感に変わってしまうでしょう。お腹を壊すような健康被害の心配はなくても、風味が落ちてしまうのは非常にもったいないことです。個人的にも、アイスの繊細な口どけは職人技の結晶だと感じます。だからこそ、お家で購入した後は過信せず、できるだけ早めに新鮮な状態で味わい尽くすのがベストではないでしょうか。
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