軽減税率が追い風!飲食店に「パン売り場併設」が急増する理由と最新トレンド

毎日の食生活に欠かせないパンを巡り、外食産業で新しい波が起きています。実は今、本格的なパン売り場を店内に組み込む飲食店がじわじわと増えているのです。おいしいベーカリーの味が気軽に楽しめるとあって、SNSでも「仕事帰りに寄れて嬉しい」「お酒と一緒に楽しむパンが最高」と大きな話題を呼んでいます。

こうした動きの背景には、2019年10月から導入された「軽減税率制度」があります。この制度は、店内で飲食する外食には10%の消費税がかかる一方、テイクアウトの商品には8%の軽くなった税率が適用される仕組みです。持ち帰りができるパンの販売は、お得感を意識する消費者の心を上手につかんでいると言えるでしょう。

ドイツ料理店「シュマッツ」を手掛けるカイザーキッチンは、2019年11月に注目の新業態をスタートさせました。東京の世田谷区にある下北沢駅直結の商業施設に、パン売り場を合体させた新店舗を開業したのです。営業時間をこれまでの午前11時から午前8時へと前倒しし、通勤通学の途中に立ち寄れる利便性を生み出しました。

店頭には、バターが香る定番の「ブレッツェル」など、常時20種類ほどのドイツパンが並びます。駅直結という立地はお出かけの際に立ち寄りやすく、店舗の稼働率を上げる賢い戦略だと私は感じます。朝や昼の需要を確実に満たすことで、夜のビアホール営業とは異なる新しい顧客層の開拓に成功しているはずです。

また、ベイクルーズ傘下のフレーバーワークスも、2019年秋に東京・新宿のサザンテラスへベーカリー併設のフードホールを誕生させました。卵料理専門店などと並べてパンを販売し、レストランへの来店につなげる工夫を凝らしています。ふらっとパンを覗くだけの気軽さが、お店全体のファンを増やすきっかけになっています。

さらに、スターバックスなどの有名チェーンもこだわりのパンを強化しており、市場の勢いは止まりません。2017年度に1兆5582億円だった国内のパン市場は、2022年度には1兆6245億円規模へ成長すると予測されています。夜にパンとお酒を合わせる「パン飲み」という新しい文化も定着しつつあるようです。

単に流行を追うだけでなく、税制の変化やライフスタイルの多様化に素早く対応したこの取り組みは、非常に見事なビジネスモデルです。自宅での食事を充実させたいという現代人のニーズにも合致しています。お気に入りの飲食店で上質なパンをテイクアウトするスタイルは、今後さらに定番化していくに違いありません。

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