独自のアイデアで建設業界の未来を切り拓く企業が登場しました。総合建設業を展開するヤマウラは、人材育成を加速させるために自社で開発した画期的な教育システムを導入します。これは業務に必要な一般教養から高度な専門知識までを体系的に網羅したもので、若手社員を中心にいつでもどこでも学べる「eラーニング」形式で提供されます。「eラーニング」とは、パソコンやスマートフォンを利用してインターネット経由で学習するシステムのことです。
「ヤマウラアカデミー」と名付けられたこの教育制度は、2019年度から約360人の全社員を対象に本格始動します。とりわけ入社3年目までの若手社員約40名や中途採用者に対しては、このシステムを活用した集中受講を促していく方針です。講座の制作は、営業や技術、管理といった各専門部門が自ら担当します。例えば技術本部なら施工管理や設計といった実践的な内容を構築し、管理本部ならビジネス文書の書き方や株主総会の実務といった社会人の基礎を網羅します。
一般的に、こうした社員教育は外部の専門機関に委託したり、既存の講義を利用したりする企業が少なくありません。しかし、同社は現場の社員が自らカリキュラムを考案し、直接指導するスタイルにこだわります。実際の業務に直結した内容にカスタマイズすることで、成長スピードが飛躍的に向上すると見込んでいるためです。さらに、日々の業務変更や法律の改正があった場合でも、自社開発であれば迅速かつ柔軟に内容をアップデートできる強みがあります。
この取り組みはSNS上でも注目を集めており、「現場の生の声が詰まった動画教材なら理解しやすそう」「自社で教材を作ることで、教える側の先輩社員も勉強になる素晴らしい仕組み」といった称賛の声が上がっています。また、動画を多用した親しみやすい構成は、経験の浅い若手や他部署の仕事を知りたい社員からも好評を博すでしょう。教材作りに携わる中堅社員にとっても、自身のスキルや業務プロセスを再確認する貴重な成長の機会となります。
同社がここまで若手教育に熱視線を送る背景には、全国的な人手不足による厳しい採用環境が存在します。地域屈指の大手企業である同社であっても、土木や電気といった技術系職種の採用は一筋縄ではいかないのが現状です。山浦正貴社長は、現代の若者が就職先を選ぶ基準として「その会社で自分がどれだけ成長できるか」を強く意識していると分析します。独自の学びの場を提供し、早期から第一線で活躍できる実感を味わってもらう狙いです。
さらに同社は、定型業務をコンピューターのプログラムで自動化する「RPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)」などの最新IT技術も積極的に導入しています。これにより、無駄な作業を削減して業務効率化を図る「働き方改革」にも注力しているのです。ただ知識を教えるだけでなく、資格取得へのバックアップ体制も整備することで、若手が安心して能力を発揮できる環境が整いつつあります。組織の底力を高めるこの試みに、今後も期待がかかります。
業界全体の課題である人手不足に対し、外部に頼らず自社内で教育の仕組みを構築した姿勢は非常に先進的であり、高く評価されるべきだと私は考えます。労働人口が減少する中で、単に人を集めるだけでなく「入社した人材を大切に育てる意志」を明示することは、最大の採用ブランディングになります。RPAによる業務効率化とこの教育システムが融合すれば、建設業の古いイメージを覆す、新しい働き方のロールモデルとなるに違いありません。
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