箱根駅伝で記録激連発!ナイキ厚底シューズがもたらす高速化と世界陸連の規制問題に迫る

陸上長距離界に空前の大革命が巻き起こっています。その中心にあるのが、ナイキが開発した「厚底シューズ」の存在です。圧倒的な好記録を支えるこの魔法の靴ですが、ここにきて風向きが怪しくなってきました。世界陸連の新規則によって、なんと使用が禁止される可能性が複数のイギリスメディアによって報じられたのです。このニュースは瞬く間に広がり、国内外のランナーたちの間に大きな動揺をもたらしています。

2020年1月3日、青山学院大学の2年ぶりとなる総合優勝で幕を閉じた箱根駅伝は、まさに異次元の高速レースとなりました。全10区間のうち7区間で区間新記録が誕生するという、前代未聞の事態に誰もが目を見張ったことでしょう。驚くべきことに、その区間賞を獲得した走者のうち6人がナイキの厚底を着用していたのです。往路・復路ともに大会新記録を叩き出し、総合タイムにいたっては従来の記録を6分以上も縮める結果となりました。

気象条件の良さや、近年の大学生ランナーのレベル向上も理由として挙げられます。しかし、それ以上に選手の足元を支えたギアの進化による「アシスト効果」は疑いようがありません。SNS上でも「もはやシューズの性能競争になっている」「記録が出すぎて複雑な気持ち」といった驚きや戸惑いの声が数多く寄せられています。長距離界の常識を根底から覆すほどの爆発的なエネルギーが、現在の陸上界には満ち溢れているのです。

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トップランナーが魅了される異次元の推進力

このシューズの最大の特徴は、ソールの内部にあります。軽量で極めて強固なカーボンプレート(炭素繊維の板)を、特殊な反発性素材で挟み込んだ構造になっているのです。これにより、一歩踏み出すごとに前へと押し出されるような強力な推進力と、驚異的な軽さを両立させました。男子マラソンの世界記録保持者であるエリウド・キプチョゲ選手や、日本記録を持つ大迫傑選手ら、世界のトップランナーが愛用したことで人気に火がつきました。

製品は改良を重ねるごとに進化し、デザイン性も高まっています。2020年1月2日からの箱根駅伝では、アディダスとパートナーシップを結ぶ青山学院大学のランナーまでもが、本番では全員ナイキを着用して出走しました。表彰式ではアディダスの靴に履き替えていたものの、原晋監督は「走るのは選手の足だから」と述べ、学生たちの勝利への執念に理解を示しています。メーカーの垣根を越え、選手第一の選択がなされているのです。

2019年度からナイキと契約を結んだ東海大の両角速監督は、その効果を肌で感じています。自身もランニングで試したところ、「疲れていても膝を動かすだけで、後半も自然と脚が前に進んでいく感覚がある」と太鼓判を押します。実際に今回のレースでは、終盤に極端に失速する選手がほとんど見られませんでした。優れたクッション性が、走る際のはずみを生み出すとともに、着地時の脚へのダメージを大幅に軽減しているのです。

劇薬か救世主か?ランナーに求められる肉体の進化

しかし、この魔法のような靴は決して万能ではなく、「諸刃の剣」という側面も持ち合わせています。山下りの6区で驚異的な区間新記録を打ち立てた東海大の館沢亨次選手は、「股関節を十分に鍛えないで履くと、ケガにつながる恐れがある」と警鐘を鳴らしました。カーボンによる強い反発を受け止めるには、アキレス腱や筋肉への負担が大きく、誰でも簡単に乗りこなせるわけではないという厳しい現実が存在します。

2区で快挙を成し遂げた東洋大の相沢晃選手も、「この靴を履きこなすための特別なトレーニングを積んできた選手こそが、素晴らしい結果を出している」と分析しています。つまり、道具の進化に合わせて、アスリート自身の肉体や走法をアップデートさせる必要性があるのです。シューズに使われる技術が進化を遂げたとしても、最終的にそれを操り、栄光を掴み取るのはランナー自身の血の滲むような努力に他なりません。

ミズノの逆襲と世界陸連が下す決断の行方

この「ナイキ1強」の勢力図に、待ったをかけたのが日本の老舗メーカーであるミズノです。今回の箱根駅伝で生まれた7つの区間新記録のうち、唯一ナイキ以外の靴で快挙を成し遂げたのが、10区を走った創価大の嶋津雄大選手でした。彼が履いていた真っ白なシューズは、ミズノが2020年夏頃の一般販売を目指して開発を続けている「プロトタイプ(試作品)」であり、今大会では合計7人の選手が使用して注目を浴びました。

ミズノの広報担当者によれば、新開発の超反発素材を採用して走行効率を高めているとのことです。通常、試作段階の靴を公式レースで投入することはありませんが、ナイキに対抗する意図と、選手からの高い評価を背景に勝負へ打って出ました。このミズノの新作は、いわゆる極端な厚底仕様ではありません。そのため、世界陸連が靴の厚さや形状に対してどのような規制を敷くかによって、今後の勢力図は激変するでしょう。

私は、スポーツにおける道具の進化は歓迎されるべきだと考えます。しかし、それが人間の身体能力の限界を試すという競技の本質を損なってはなりません。今回の厚底シューズを巡る議論は、スポーツの公平性とテクノロジーの発展のバランスを問う、非常に重要な分岐点となるはずです。世界陸連がどのような最終判断を下すのか、そして各メーカーがどう対応していくのか、今後の動向から一瞬たりとも目が離せません。

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