三協立山が純利益5倍を達成!アルミ価格下落とEVシフトで掴む未来の成長戦略とは?

富山県に本社を置く大手建材メーカーの三協立山が、驚異的な決算を発表して大きな注目を集めています。同社が2020年1月20日に開示した2019年6月から2019年11月期までの連結決算によりますと、最終的な儲けを示す純利益が前年の同じ時期と比べて約5倍となる11億円に急増しました。この劇的な利益の押し上げには、製造コストの大幅な浮き沈みが深く関係しています。

大きな要因となったのが、窓枠などに使われるアルミサッシの原材料である「アルミ地金(じがね)」の市場価格が下がったことです。アルミ地金とは、鉱石から取り出したアルミニウムを使いやすい塊にした未加工の金属素材を指します。この仕入れ費用が安くなったことに加え、一部の商品で行った値上げが功を奏し、製品1つあたりから得られる利益の割合、いわゆる採算性が劇的に向上しました。

SNS上では「地金価格の変動を味方につけた見事な価格戦略」「利益5倍は株主として頼もしい」といった驚きと称賛の声が相次いでいます。その一方で、企業の売上高自体は前年同期比で5%減の1619億円に留まりました。これには、世界的な自動車生産の停滞に伴ってアルミ部材の需要が落ち込んだことや、災害からの復興に向けた建材の特需が落ち着いたことが影響しているようです。

さらに、2019年10月に実施された消費税増税の直前に見られた、駆け込み需要の反動による買い控えも響いたとみられます。また、ドイツの連結子会社が中心となる国際事業においては、自動車業界の不振が直撃して14億円の営業赤字を計上しました。世界情勢に目を向けると、アメリカと中国の貿易摩擦や、アメリカとイランの対立など、先行きが見通せないリスクが山積しています。

こうした背景から、同社は2020年5月期通期の業績予想をあえて据え置くという、慎重かつ堅実な姿勢を崩していません。しかし、この現状を打破するための強力な一手もすでに打たれています。山下清胤社長は、次世代の自動車市場として世界中が注目する「EV(電気自動車)」分野において、複数の企業から新しく部材の受注を獲得したことを力強く明かしました。

2020年の春頃には、ドイツの自動車大手であるフォルクスワーゲンの新型EV向け部品の出荷がいよいよ開始される予定です。環境規制の強化に伴い、ガソリン車からモーターで動くEVへのシフトは世界的な潮流であり、軽量なアルミ部材の需要は今後さらに高まるはずです。同社は、このEV分野を起爆剤として、2022年5月期までに国際事業を黒字化させる目標を掲げています。

厳しい市場環境の中で、目先のコスト管理に成功しつつ、未来の成長産業へ舵を切る三協立山の戦略は非常に理にかなっていると感じます。一時的な逆風に負けず、EVシフトという世界的な大波を捉えることで、次なる成長への確固たる足場を築けるかどうかが今後の見どころです。地道な構造改革と先進的な取り組みが結実し、国際事業が再び輝きを取り戻す日を楽しみに注目していきましょう。

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