人生100年時代と呼ばれる現代において、定年後の生き方や働き方に注目が集まっています。人材ビジネス大手のパソナグループが、経験豊かなシニア世代を主役とした画期的な取り組みを本格化させました。同社は人材派遣事業などにおいて、シニア層を意欲的に迎え入れる募集を開始したのです。2020年度末までに総勢160人もの採用を計画しており、この大胆な試みはSNSなどでも「これまでの経験を無駄にしない素晴らしいチャンス」「定年後の選択肢が広がる」と、大きな反響を呼んでいます。
この取り組みは「エルダーシャイン制度」と銘打たれた、シニア層の活躍を後押しする施策の第2弾となります。一般的に「エルダー」とは英語で年長者や高齢者を指し、企業においては熟練したベテラン社員を意味する言葉です。今回の募集では、定年を迎えた後も社会に貢献したいという熱意を持つ人々が対象となっています。驚くべきことに、年齢の上限が設けられていないだけでなく、まだ定年に達していない65歳未満の意欲ある方々でも応募が可能となっており、門戸が広く開かれている点が特徴です。
用意された職種は多様で、企業の経営課題を解決へと導く「参謀コース」から、営業を支える「営業コース」、さらに財務や介護といった専門知識を活かす「スペシャリストコース」まで存在します。加えて、パソナが注力する「地方創生コース」や、自らビジネスを立ち上げたい人のための「起業志望コース」という計5つの道が準備されました。かつて企業の前線で培った貴重なスキルや知見を、最適な場所で再び輝かせる仕組みが整っていると言えるでしょう。
働き方の柔軟性もこの制度の大きな魅力です。フルタイム勤務はもちろんのこと、勤務時間を短縮した時短勤務や、週に数日だけ稼働するスタイルなど、個人のライフステージに合わせた選択が認められています。気になる待遇面ですが、業務内容によって変動するものの、例えば東京都内で営業職として週5日、1日8時間フルに働いた場合は、月給25万円程度が想定されているそうです。無理のない範囲でしっかりと収入を得られる設計は、シニアにとって嬉しい配慮ではないでしょうか。
これに先立ち、パソナグループは2020年2月4日に東京都内の本社で応募説明会を開催することを決定しました。今後は大阪府でも同様の説明会が予定されており、全国的な広がりが期待されます。実は、2019年4月に実施された第1回の募集では、すでに80人のシニアが採用され、各現場で活躍を見せています。通常の中途採用市場では巡り合えないような、極めて高い専門性や経験を持つ人材を確保できる点が、企業側にとっても最大のメリットになっている模様です。
一億総活躍社会が叫ばれる中、こうしたシニアの知恵を社会に還元する仕組みは不可欠だと私は考えます。年齢を理由に一線を退くのではなく、培った「参謀」としての眼識や専門性を次の世代へと繋ぐ試みは、労働力不足に悩む日本全体を明るく照らすはずです。単なる人手不足の解消にとどまらず、シニアが生きがいを持って輝ける社会の実現に向けて、パソナグループの挑戦は今後の日本の働き方を大きく変える試金石となるに違いありません。
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