工具大手OSGの2020年11月期業績予想を発表!新工場投資と自動車市場の現状から見る今後の展望とは?

ものづくりを支える切削工具の分野で世界的なシェアを誇るOSGが、2020年1月10日に最新の決算と今後の見通しを明らかにしました。同社が発表した2020年11月期の連結純利益の予想は、前期と比べて11%減少となる122億円にとどまる見込みです。切削工具とは、金属を削ったり穴を開けたりして精密な部品へと加工するための、いわば「製造業の命」とも言える重要な道具のことです。今回の減益予想に対してSNS上では、製造業全体の冷え込みを心配する声が上がっています。

今回の苦戦の背景には、将来の成長を見据えた新工場の立ち上げ費用や、設備投資に伴う減価償却費の負担が増加している点が挙げられます。減価償却費とは、工場や機械などの高額な資産を購入した際に、その費用を耐用年数に応じて何年かに分けて少しずつ経費として計上していく会計上の仕組みです。これに加え、国内の自動車メーカーを中心とした在庫調整の影響により、自社の製造ラインの稼働率が落ち込んでいることも、利益を圧迫する要因として重くのしかかっています。

その一方で、売上高に関しては前期比2%増の1290億円に達する見通しを立てており、企業の規模拡大への意欲は衰えていません。この増収を牽引するのが、海外の工具メーカーを対象に実施した「M&A」の効果です。M&Aとは企業の合併や買収を指し、今回は新たな海外企業をグループに迎え入れたことで、その売上高が連結決算に上乗せされる形となりました。なお、2020年期の想定為替レートについては、1ドル=105円、1ユーロ=120円を前提としています。

同社の石川則男社長は、今後の市場需要について、貿易摩擦に揺れた中国の自動車生産は底を脱しつつあると分析しました。しかし、日本国内においては2019年10月に実施された消費増税のマイナス影響が根強く残っており、当面は厳しい経営環境が継続するという引き締まった見方を示しています。これに伴い、株主への還元となる年間配当金は、前期から5円減額した42円に引き下げられる予定となっており、投資家の間でも賛否両論の意見が飛び交いました。

同時に発表された2019年11月期の連結決算は、売上高が前の期と比べて3%減の1269億円、純利益が7%減の136億円という結果でした。米中貿易摩擦の長期化を背景に、主要市場である中国で自動車向けの切削工具の販売が伸び悩んだことが響いた形です。私個人の意見として、今回の減益は一時的な投資負担や外部環境の悪化によるものであり、グローバルなM&A戦略や新工場の稼働は、中長期的な競争力を高めるための前向きな布石であると捉えています。

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