2022年4月に控えた改正民法の施行により、いよいよ成人年齢が18歳へと引き下げられます。これに伴い、全国の自治体が頭を悩ませているのが、一生に一度の晴れ舞台である「成人式」を何歳で開催すべきかという問題です。東京都内の各市区町村を対象に実施した最新の調査では、早くも独自の方向性を打ち出す地域が現れており、その動向に大きな注目が集まっています。
島しょ部を除く都内53市区町村へアンケートを行ったところ、2020年1月10日の午前までに51の自治体から回答を得られました。驚くべきことに、成人年齢の引き下げに合わせて式典も18歳で実施すると明言した自治体は一つもありませんでした。一方で、すでに11の市区町村が、法改正後も従来通り「20歳」を対象に式典を維持する方針を固めていることが判明したのです。
この決定の背景には、多感な時期を過ごす若者たちへの深い配慮があります。国分寺市などが指摘するように、18歳という年齢は多くの人にとって大学受験や就職活動の準備が本格化する極めて重要な時期に重なります。精神的にも時間的にも余裕がないタイミングでの開催を避け、落ち着いた環境で人生の節目を祝ってほしいという大人の温かい眼差しが、この結果に繋がっていると言えるでしょう。
さらに、現実的な運営面での壁も浮き彫りになりました。もし18歳に対象を引き下げるとなれば、移行期にあたる2022年度には18歳、19歳、20歳の3学年が同時に式典を迎えることになります。町田市が懸念するように、一度に3倍の人数が集まるとなれば、会場の確保や当日の進行において大混乱が生じるのは火を見るより明らかです。こうした実務上の課題も、20歳維持を後押ししています。
SNS上でもこの話題は大きな反響を呼んでおり、「18歳での開催は振袖選びや受験勉強で大忙しになりそうだから、20歳維持は本当にありがたい」といった安堵の声が多数を占めています。その一方で、「18歳で成人という法的な定義と、20歳で行うお祝いの儀式にズレが生じることで、当事者の『大人になった』という自覚が曖昧になってしまうのではないか」という鋭い指摘も見られました。
まだ方針を定めていない40の市区町では、周囲の様子を伺いながら慎重に検討を続けている段階です。ここで特筆すべきは、当事者である若者たちの声を反映させようとする動きです。例えば多摩市や町田市では、将来の対象者となる中学生や若年層の住民へのアンケートを実施しました。若者の意見を置き去りにせず、地域の未来を担う人々と共に形を作ろうとする姿勢は非常に素晴らしいと感じます。
実際の調査結果を見ても、文京区の新成人では約7割、足立区の高校3年生でも半数以上が「20歳での開催」を支持しています。やはり当事者たち自身も、学業や進路決定との両立に不安を感じているのが本音なのでしょう。誰のための式典なのかを考えれば、こうしたリアルな声を最優先に尊重して舵を切ることは、自治体として極めて健全であり、当然の選択であると私は強く確信しています。
変わる「成人式」の呼び名とこれからの課題
20歳での開催を維持するにあたり、法律上の成人年齢とのギャップを埋めるための工夫も始まっています。八王子市では「法律で成人が18歳となる以上、成人式という名称は使いにくい」として、2022年度から式典の名称を「二十歳を祝う会」へと刷新する方針を打ち出しました。国分寺市でも、当事者による実行委員会が中心となって新しい名前を模索していく予定です。
このように「大人になること」と「20歳という節目」を切り離して捉える動きが広がる一方で、世田谷区や墨田区のように名称を変更しない方針の自治体もあり、対応は分かれています。単にお祝いの時期を据え置くだけでなく、18歳で法律上の権利と責任を得た若者たちが、その2年後に開かれる式典を通じて、真の意味で地域社会への所属意識を深められるような新しい仕組みづくりが今まさに求められています。
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