現代の日本を支える中央政府の労働環境に、今、大きな変化の波が押し寄せています。2020年度末における国家公務員の定員が、節目の30万人を突破する計画であることが分かりました。これで3年連続の増員となり、行政のスリム化が叫ばれる中で異例の事態とも言えます。SNS上では「民間が人手不足の中で公務員だけ増えるのか」という厳しい声がある一方、「官僚の過酷な労働環境を考えれば当然の措置だ」と理解を示す意見も溢れ、大きな議論を呼んでいるのです。
内閣官房の発表によると、2020年度末の総定員は30万82人に達する見込みとなっています。もちろん、政府もただ人員を増やしているわけではありません。民間への業務委託などを進めることで、ベースとなる基本業務の定員自体は287人減少させました。しかし、それを上回る形で災害復旧や東京オリンピック関連といった「時限的な定員(特定の期間や目的のために限定して配置される人員)」が709人も必要となり、全体を押し上げる要因となっています。
急増するワークライフバランス定員の正体とは?
さらに注目すべきは、「ワークライフバランス推進のための定員」が389人も増加している点でしょう。これは育児休業の取得や短時間勤務(時短勤務)を利用する職員の穴を埋め、周囲の負担を軽減するために2015年度から導入された特別な人員枠です。制度開始当初は150人程度でしたが、2020年度には389人にまで急拡大しました。背景には、2020年度から政府が本格始動させる「男性国家公務員の1ヶ月以上の育休取得促進」があります。
ネット上では、この取り組みに対して「国が率先して育休を取りやすい環境を作るのは素晴らしい」と称賛する声が上がっています。その一方で「人員を増やさなければ回らない仕組み自体に問題があるのでは」といった、業務効率化の徹底を求める手厳しい指摘も少なくありません。誰もが制度を気兼ねなく利用するためには、現場のマンパワーを補填することが最も確実な解決策であり、今回の増員はその痛みを伴う過渡期であると言えます。
筆者の視点として、この公務員の増員ラッシュは「働き方改革」を進める上で避けては通れないステップだと考えます。育休や時短勤務を推奨しても、現場が回らなければ制度は形骸化してしまうでしょう。ただし、税金で賄われる定員が増え続けることに対して、国民がシビアな目を向けるのは当然です。今後は人員を増やすだけでなく、デジタル化(IT化)による抜本的な業務の自動化を進め、真のスリム化と柔軟な働き方を両立させることが求められます。
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