ガラス製造大手である日本電気硝子の最新決算が発表され、市場に大きな衝撃が広がっています。同社が2020年1月20日に開示した2019年12月期の連結最終損益は、なんと340億円の赤字を記録しました。事前の業績予想では80億円の黒字を見込んでいただけに、この大幅な下振れは誰もが予想しえなかった展開と言えるでしょう。前年の2018年12月期が151億円の黒字を確保していた事実と比較しても、今回の業績悪化がいかに急激であったかが浮き彫りになります。
今回の深刻な下方修正を受けて、SNS上でも投資家やビジネスパーソンから驚きの声が相次いで投稿されました。「さすがにこの規模の赤字転落は想定外」「自動車産業の冷え込みがこれほど直撃するとは」といった、先行きを不安視する意見が目立っています。さらに、株主への還元策として期待されていた年間配当金が、従来予想から10円引き下げられて前年同様の100円にとどまったことも判明しました。この増配見送りに対しては、利益を重視する市場関係者からも落胆の呟きが漏れています。
売上高についても、前年比14%減の2570億円となり、事前の想定を130億円も下回る結果となりました。主な原因は、中国やヨーロッパといった主要市場において、自動車の製造台数が著しく減少したことにあります。その影響で、車両の軽量化や強度向上に不可欠な「ガラス繊維」の売れ行きが激しく落ち込みました。本業の儲けを示す営業利益も、当初の計画から20億円減の160億円にとどまり、世界的な景気減速の波に抗えなかった形です。
今回の決算で注目すべき専門用語が、巨額赤字の引き金となった「特別損失」の計上です。これは、企業の通常の営業活動とは無関係に、その期だけに例外的に発生した特別な損失のことを指します。同社は、業績が低迷しているガラス繊維事業の生産設備について、将来的に十分な利益を生み出せないと判断しました。その結果、固定資産の帳簿価格を現実に合わせて引き下げる「減損処理」を実施し、これが巨額の特損として業績を圧迫したのです。
編集部としては、今回の日本電気硝子の決算は、現在の世界情勢をリアルに反映した結果であると捉えています。自動車産業のパラダイムシフトが叫ばれる中で、部材を供給するサプライヤーが受ける打撃は想像以上に大きいと考えざるを得ません。しかし、生産設備の価値を見直す減損処理は、将来の減価償却費を減らすという「膿を出し切る」前向きな側面も持ち合わせています。この苦境をバネに、同社がどのような次の一手を打つのか、今後の巻き返しに期待したいところです。
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