1970年代のテレビドラマ界を席巻した伝説の「赤いシリーズ」で、日本中に強烈なインパクトを残した名優がまた一人、星になりました。俳優の原知佐子(はら・ちさこ、本名・実相寺知佐子)さんが、2020年1月19日に上顎(じょうがく)がんのため、84歳でこの世を去られたことが明らかになりました。
葬儀および告別式は近親者のみで静かに執筆される予定で、喪主は長女の吾子(あこ)さんが務められます。原さんは、あのウルトラマンシリーズなどで独特の世界観を築き上げた天才映画監督、故・実相寺昭雄氏の妻としても知られ、公私ともに表現の世界を深く愛し続けた生涯でした。
原知佐子さんといえば、やはり山口百恵さんが主演を務めた大ヒットドラマ「赤い疑惑」などでの、迫真の「いびり役」が今も語り草となっています。彼女が魅せた容赦のない悪役ぶりは、当時の視聴者をハラハラドキドキさせ、物語の劇的な緊張感を極限まで高める最高のスパイスでした。
今回、原さんの訃報に際して原因となった「上顎がん」とは、お口の中の天井にあたる上あごや、鼻の奥に隣接する「上顎洞(じょうがくどう)」という空洞に発生する悪性腫瘍のことです。初期には自覚症状が出にくく、進行すると歯の痛みや鼻詰まりなどを引き起こす、非常に繊細な治療が必要とされる病気として知られています。
この悲しいニュースが流れると、SNS上では往年のファンから数多くの追悼コメントが寄せられ、タイムラインは深い哀愁に包まれました。「本当に憎たらしかったけれど、それこそが彼女の圧倒的な演技力の証だった」「昭和のテレビ黄金期を支えてくれてありがとう」といった、彼女の実力を称える温かい声が絶えません。
悪役が輝いてこそ、主役の輝きや物語の感動が何倍にも膨らむというのは、いつの時代も変わらないエンターテインメントの真理でしょう。原知佐子さんが画面の中で放った唯一無二の存在感と、昭和のドラマ界に残した偉大な足跡は、これからも私たちの心の中で鮮やかに生き続けるに違いありません。
コメント