70歳定年時代が到来?高年齢者雇用安定法の改正案に潜む疑問とミドル世代起業のススメ

政府は2020年1月21日、70歳までの働く機会を確保することを企業へ求める「高年齢者雇用安定法」の改正案を通常国会に提出する方針を固めました。これまでは定年の引き上げや継続雇用が主流でしたが、今回は新たに4つの選択肢が追加されます。働くシニアを応援する姿勢は見えますが、その中身にはいくつかの疑問が残るのも事実です。

新方針に対してSNSでは「元気なうちに第2の人生を歩みたい」「会社にしがみつくのはお互いに不幸では」といった多様な意見が飛び交っています。定年後も社会と繋がりたいと願う声がある一方で、企業側がどこまで個人のキャリアをサポートすべきなのか、戸惑いの声も少なくありません。国が個人の生き方に深く介入しすぎるのではないかという懸念も広がっています。

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フリーランスや起業支援という選択肢の実効性

新しく加わる選択肢には、他社への再就職支援だけでなく、フリーランスとして働く人への業務委託や個人の起業を会社が後押しする仕組みが含まれています。フリーランスとは特定の組織に属さず、個人で案件ごとに仕事を請け負う働き方のことです。しかし、70歳を目前にしたシニア層が、ゼロから独立して新しいビジネスを軌道に乗せるのは容易ではありません。

高齢になってから無理に新しい挑戦を促すよりも、むしろ社内での将来像が見え始めてきた40代から50代のミドル層の独立を支援する方が、社会全体にとって健全ではないでしょうか。組織のポスト不足が原因で、せっかくの優れた実力や経験を活かせずに埋もれてしまっている中高年は大勢います。彼らが外の世界へ飛び出せる環境を整えることこそが大切です。

若くてエネルギーのある世代のセカンドキャリアを応援することは、社会保障の基盤を安定させることにも繋がります。ベテラン社員が新天地で活躍できれば、組織の若返りが進むため、企業にとっても労働者にとってもプラスの循環が生まれるはずです。これこそが、国が本当に推進すべき「人生100年時代」に向けた雇用のグランドデザインではないでしょうか。

社会貢献活動への資金提供が抱える問題点

今回の改正案で最も議論を呼びそうなのが、社会貢献活動を行う個人へ企業が資金援助を行うという項目です。ボランティアなどの社会貢献は、そもそも自発的な意志に基づいて行われるものであり、「就業」や「労働」とは根本的に性質が異なります。個人の自由な意思による活動に対して、企業がわざわざお節介を焼く必要性があるのかは甚だ疑問です。

これまでの働き方改革には、労働環境を改善するという面で評価できる点も多く存在していました。しかし、国家が民間企業や個人の生き方に過剰に介入しすぎると、かえって現場の混乱や形骸化を招く結果になりかねません。シニア世代が本当に求めているのは、お仕着せの選択肢ではなく、自分の意志で柔軟に働ける社会の空気感だと私は考えます。

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