日本の石炭火力は悪じゃない?小泉進次郎氏のCOP25発言の裏で進む「CO2ゼロ」への最新テクノロジーとCCSの未来

2019年12月にスペインのマドリードで開かれた第25回国連気候変動枠組み条約締約国会議、通称「COP25」。この国際舞台で、石炭火力発電の継続姿勢を崩さなかった日本は、世界中から厳しい批判の矢面に立たされました。当時の環境大臣であった小泉進次郎氏も、地球温暖化の原因となる二酸化炭素(CO2)の具体的な削減策を提示できず、苦い結果に終わっています。

SNS上ではこのニュースに対し、「日本の環境政策は遅れている」「もっとリーダーシップを発揮してほしい」といった落胆の声が多く寄せられました。しかし、批判一色に染まる世論の裏側で、実は日本が世界に誇る最先端のクリーン技術開発が着実に進んでいることをご存じでしょうか。ただ批判を受け入れるだけでなく、私たちが持つ技術の真価に目を向けるべきです。

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世界の批判と日本の「石炭火複合発電」の実力

石炭は、液化天然ガス(LNG)と比較すると、同じエネルギーを生み出す際になんと約1.8倍もの二酸化炭素を排出してしまいます。世界中が日本の石炭発電プラント輸出を非難する背景には、こうした明確な数字があるのです。日本が長年研究してきた「石炭ガス化複合発電(IGCC)」は、石炭をガス化してガスタービンと蒸気タービンの両方で効率よく発電する最先端システムです。

この技術によって熱効率は48%まで向上し、従来の15%もの石炭を節約できるようになりました。とはいえ、熱効率が60%に達するLNG発電と比べれば、依然として2.3倍のCO2を排出するという課題は残されています。だからこそ、排出されたガスをそのまま大気に逃がさない、次なるブレイクスルーとなる革新的なアプローチが必要不可欠なのです。

二酸化炭素を閉じ込める「CCS」という切り札

その救世主となるのが「CCS(二酸化炭素回収・貯留)」という先進技術です。これは工場や発電所から出るCO2を他の気体から分離して集め、地中深くへと安定した状態で閉じ込める仕組みを指します。化石燃料を燃やしても、このCCSを組み合わせれば、理論上は太陽光や風力といった再生可能エネルギーと同じように、環境へ負荷を与えない発電システムへと生まれ変わるでしょう。

日本とオーストラリアは、早くも2012年から共同で、CO2を大気に出さない画期的な石炭火力発電プロジェクトを実施してきました。この試みでは、空気から酸素だけを取り出して石炭を燃焼させる方法を採用しています。排気ガスに余計な窒素が含まれないため、CO2の分離が非常にスムーズになり、液体状に圧縮して安定した地層へ安全に隔離できるのが強みです。

2050年カーボンニュートラルへの挑戦と課題

2016年からは、北海道の苫小牧沖海底地下において、実証実験も精力的に続けられています。ただし、1キログラムの石炭から発生するCO2は液体化すると重さが3.7キログラム、体積は6.3倍にも膨らむため、そのハンドリングや海底地下の環境監視は極めてセンシティブな作業です。コスト面や安全性の確保など、クリアすべきハードルは決して低くありません。

しかし、この技術は2050年までに温室効果ガスの排出を実質ゼロにする「カーボンニュートラル」を達成するための強力な切り札になるはずです。小泉環境大臣がCOP25の場で、こうした日本発の素晴らしい取り組みを堂々と世界へアピールしていれば、国際社会からの評価は180度違ったものになっていたに違いありません。日本の技術力には、世界をリードするポテンシャルが眠っています。

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