自動車業界に激震が走るデータが公開され、SNSでも「やっぱり増税の影響は大きい」「災害が重なったから仕方ない」といったリアルな声が飛び交っています。神奈川トヨタ自動車が2020年1月20日に発表した2019年の神奈川県内における新車販売台数(軽自動車を含む)は、28万4953台にとどまりました。これは2018年と比較して1%の減少にあたり、無資格検査問題に揺れた2018年に引き続き、2年連続で前年実績を割り込む厳しい結果となっています。
この不調の引き金となったのは、2019年10月に実施された消費税率の引き上げと、相次いで日本を襲った大型台風の被害です。これにより各ディーラーは営業日数の減少を余儀なくされ、10月以降の販売実績が急激に落ち込みました。実際に2019年10月から12月までの第4四半期だけで見ると、前年の同じ時期と比べて13%も減少しています。自動車の新車登録手続きには通常1ヶ月から2ヶ月程度の期間を要するため、10月の冷え込みが年末まで尾を引く形となりました。
さらに、この時期は魅力的な新型車の発表を直前に控えていたタイミングでもあり、ユーザーが買い控えをしたことも需要の低下を後押ししたようです。2019年4月から9月までの上半期は前年を上回るペースで順調に推移していただけに、秋以降の急ブレーキがいかに深刻だったかがうかがえるでしょう。車種別の内訳を見ると、排気量が660ccを超える通常の「登録車」は前年比1%減の21万4407台となり、身近な足として親しまれる「軽自動車」も0.4%減の7万546台を記録しました。
ここで注目したいのは、自動車市場のトレンドです。これまでは、価格や維持費が手頃な軽自動車が登録車の落ち込みをカバーするのが一般的な業界の縮図でした。しかし、今回の局面ではそのセオリーが通用せず、軽自動車すらも減少に転じた点に危うさを感じます。メーカー別の明暗もくっきりと分かれており、地元に大きな拠点を置く日産自動車が12%減の4万2500台と苦戦したほか、ホンダやスズキといった主要メーカーも軒並み数字を落とす結果を迎えました。
その一方で、圧倒的な強さを見せたのがトヨタ自動車です。レクサスを除くトヨタブランドは5%増の9万4106台と大健闘を見せています。さらに高級車ブランドのレクサスにいたっては、昨今の世界的なトレンドである「SUV(スポーツ用多目的車)」の人気爆発によって、22%増という驚異的な伸びを記録しました。SUVとは、悪路走破性が高く荷物もたくさん積めるスポーツ性を持った実用車のことで、現在はステータス性も兼ね備えた大人気ジャンルとなっています。
編集部としては、今回の減速は決して自動車離れだけが原因ではなく、増税という制度変更と自然災害が重なった不可抗力な側面が強いと捉えています。その中でも、魅力的なSUVを投入してファンを惹きつけたトヨタのように、消費者の「欲しい」を刺激する商品力があれば、逆風の中でも市場を開拓できるはずです。今後は各メーカーがどのような新型車で巻き返しを図るのか、神奈川の自動車市場が持つ本来の底力と、2020年以降のV字回復に大いに期待したいところです。
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