【2020年最新】自動車排ガス規制でパラジウムとロジウムの国際価格が急騰!クリーンカー時代の幕開けと貴金属市場の未来

世界の自動車業界に今、巨大な地殻変動が起きています。ガソリン車の排ガスを綺麗にするために欠かせない貴金属である「パラジウム」と「ロジウム」の国際価格が、驚異的なスピードで急騰しているのです。2020年の年初と比較すると、パラジウムは約3割、ロジウムにいたっては約6割も値上がりしました。ネット上でも「車が売れない時代なのに貴金属が爆上げするなんて」「環境規制のインパクトは凄まじい」と、驚きの声が続々と上がっています。

ここで注目したいのは「触媒」という専門用語です。これは、自動車から出る有害な排ガスを化学反応によって無害な成分に変える装置のことで、パラジウムやロジウムはその中核となる原料を指します。2020年からは世界各国で排ガス規制の強化が本格化するため、この触媒の性能を高めようと、自動車メーカーによる激しい争奪戦が繰り広げられている状況です。特に世界最大の自動車市場である中国での調達の動きが、相場を大きく押し上げる要因となっています。

具体的な数字を見ると、市場の過熱ぶりがより鮮明に伝わってくるでしょう。2020年1月20日には、パラジウムの現物スポット価格(その場で契約して取引する価格)が1トロイオンスあたり2582ドルに達し、過去最高値を塗り替えました。これは、わずか3年間で3.5倍にも跳ね上がった計算になります。また、有害な窒素酸化物を除去するために必須となるロジウムも、1トロイオンスあたり9790ドルを記録し、この1年間で約4倍という驚異的な水準まで暴騰しているのです。

こうした急激な価格高騰の背景には、2015年に採択された「パリ協定」以降、地球温暖化や大気汚染への対策として世界的な規制の網が急激に狭まっている現実が存在します。さらに、欧州で2015年9月に発覚した自動車メーカーの排ガス不正問題をきっかけに、人々がディーゼル車からガソリン車へとシフトしたこともパラジウムの需要を加速させました。環境を守るための規制が厳しくなればなるほど、1台の車に使う貴金属の量を増やさなければならないという構造があるのです。

なかでも中国の動きは圧倒的で、深刻な大気汚染を解決すべく「国6」と呼ばれる厳しい新基準を2020年から導入します。一部の主要都市では、2019年7月1日から前倒しで適用が始まっており、中国への純輸入量は2019年1月から9月にかけて前年同期比で8%も増加しました。さらに、中国のバイヤーたちが砂状の原料ではなく、品質検査の容易な「地金(インゴット)」と呼ばれる塊での購入を優先していることが、市場の流通量をさらに減少させる原因を作っています。

私は、今回の貴金属の急騰劇は単なる投資マネーの流入だけでなく、人類が本気で「クリーンな空気」を求め始めた結果であると確信しています。環境規制という大義名分のもとで需要が爆発している以上、この供給不足は一過性の波では終わらないはずです。自動車メーカーは今後、限られた資源をいかに確保するか、あるいは代替技術を開発できるかという、企業の存亡をかけた戦いに直面することになるでしょう。これからの自動車社会の行方から、ますます目が離せません。

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