世界的な資産運用会社が、再び日本のクリーンエネルギー市場に熱い視線を注いでいます。スイスを拠点に活動する大手資産運用会社「パートナーズ・グループ」は、日本の再生可能エネルギー分野へ本格的に再参入する方針を固めました。同社はかつて国内の太陽光発電事業から撤退していましたが、今回は新たな可能性を秘めたバイオマス発電の開発に向けて、複数の企業と具体的な交渉を開始しています。
このニュースに対し、SNS上では「外資系ファンドが目を付けるほど日本の再エネ市場にはまだポテンシャルがあるのか」「太陽光の次はバイオマスや風力がビジネスの主戦場になりそう」といった、今後の市場活性化を期待する声が多数寄せられています。パートナーズはすでに、2019年2月に日本法人の機能を大幅に拡充させており、世界中で培ってきた投資ノウハウを武器に、国内での事業基盤を改めて強固なものにする構えです。
現在、彼らが特に注目しているのが北海道でのバイオマス発電プロジェクトです。バイオマス発電とは、木くずや生ゴミなどの生物由来の有機資源を燃料として燃焼させたり、ガス化させたりして電気を起こすクリーンな仕組みを指します。予定されている発電所の出力は1万キロワットを超える大規模なもので、具体的な設計や詳細な計画の策定はこれから進められる見通しとなっています。
高い収益性が魅力のバイオマスと、期待が集まる洋上風力発電
今回の再参入を後押ししたのは、日本の固定価格買い取り制度(FIT制度)における価格設定の有利さです。これは国が再生可能エネルギーで発電した電気を、一定期間固定の価格で買い取ることを電力会社に義務付けた制度になります。2019年度において、激しい競争により価格が10円台まで下落した太陽光発電に対し、出力2000キロワット以上のバイオマス発電の買い取り価格は1キロワット時あたり32円と、非常に高く維持されています。
さらに、同社は海の上に風車を設置して発電する「洋上風力発電」への進出も視野に入れています。日本ではこれまで欧州に比べて法整備や事業環境の遅れが指摘されていましたが、政府が最長30年間の事業継続を認める「有望区域」の選定に着手したことで、一気にビジネスの土壌が整いつつあります。同社のインフラ部門を統括するユーリ・イェンクナー氏も、日本における風力発電の市場は非常に魅力的であると言及しました。
1996年に設立されたパートナーズ・グループは、約900億ドルの運用資産を持つグローバル企業です。2019年9月24日の時点における世界中での発電所開発実績は、共同開発を含めて約683万キロワットに達しています。現在もオーストラリアでの大型発電所建設や、ノルウェー沖での天然ガスパイプライン投資など、エネルギー事業を多角的に展開しており、その安定感は抜群と言えるでしょう。
筆者は、今回のパートナーズの決断を非常に賢明な戦略であると評価します。かつて2013年に日本の太陽光市場に参入した同社は、高い買い取り価格の恩恵を受けて2桁の内部収益率を達成し、2018年にすべての設備を売却して巨額の利益を確定させました。この見事な引き際を見せた彼らが、今度は成長余地の大きいバイオマスと洋上風力に狙いを定めたことは、日本の再エネ市場の勢力図が完全に塗り替わる兆候だと感じます。
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