静まり返った無人駅が、クリエイターたちの熱気であふれる空間へと生まれ変わります。JR東日本とクラウドファンディング大手「CAMPFIRE」がタッグを組み、無人駅の遊休スペースを有効活用する画期的な地域活性化プロジェクトが始動しました。その舞台となるのが、新潟県三条市に位置するJR信越本線の帯織駅です。
1986年から無人駅となっているこの場所に、2020年7月末、ものづくりの交流拠点「Eki Lab(エキラボ)」が誕生する予定となっています。金属洋食器や伝統刃物で世界的に有名な「燕三条」地域の企業9社が連携し、過疎化が進む地域の駅舎を産業発信の最前線へと再生させる試みです。
SNSでは「無人駅に職人が常駐するなんて胸熱!」「ものづくりを体験しにわざわざ行ってみたい」といった期待の声が続々と上がっています。ただの観光地化ではなく、地元の技術力と直に触れ合える本格的なスポットとして、早くもネット上で大きな注目を集めている模様です。
3Dプリンターも完備!初心者からプロまでが集う2つのエリア
このプロジェクトを牽引するのは、帯織駅の周辺でプレスや溶接加工を営む「ストカ」などの地元企業です。周辺に工場が密集する強みを活かし、燕三条が誇る圧倒的なものづくり力を広く発信したいという熱い想いから、新法人が立ち上げられました。2020年夏の開業を目指し、現在は着々と準備が進められています。
エキラボの施設内は、役割の異なる2つのブロックに分かれる構造です。まず旧駅長室をリノベーションした「設計ブロック」では、プロのデザイナーから、パソコンで図面を作る「CAD(キャド)ソフト」の使用法まで丁寧に教わることができます。初心者でも安心してアイデアを形にできる仕組みです。
さらに駅の駐車場に新設される「工場ブロック」には、3Dプリンターや卓上レーザー、溶接機といった本格的な工作機械がずらりと並びます。3Dプリンターとは、デジタルデータをもとに樹脂などを何層も積み重ねて、立体的な模型や部品を簡単に作り出す最先端の立体印刷機械のことです。
利用料金は月額980円と非常にリーズナブルで、機械の使用料を払えば誰でも自由にものづくりを楽しめます。学校帰りの学生や主婦層、出張中のビジネスパーソンまで幅広い層の利用を想定しており、2020年3月中には駅舎の内装工事がスタートする計画です。
編集者の視点:人口減少に立ち向かう「わざわざ行きたい場所」への挑戦
現在、全国の過疎地では人口減少や高齢化に伴い、無人駅が急増しています。JR東日本新潟支社管内でも、全195駅の半分を超える116駅が無人駅という厳しい現状です。単にお土産店やカフェを誘致するだけでは、そもそも利用者が少ない無人駅への集客は簡単ではありません。
だからこそ、燕三条という地域独自の「職人の技術」をコンテンツにした今回の取り組みには、非常に強い説得力を感じます。他にはない体験価値を提供することで、市外や県外からも「わざわざ足を運びたくなる場所」へと昇華させる戦略は、地方創生の素晴らしいモデルケースになるでしょう。
新幹線が停まる長岡駅からもほど近い帯織駅が、単なる移動の通過点から、新しい才能やビジネスが育つコミュニティへと進化を遂げる未来がとても楽しみです。地域一丸となったこの熱い挑戦が、日本の無人駅の在り方を大きく変えていくに違いありません。
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