道の駅ホテルで地方創生!積水ハウスとマリオットが仕掛ける新しい旅のスタイルとは

日本の旅をもっとディープに楽しむための、新しいプロジェクトが本格的に始動します。ハウスメーカー大手の積水ハウスと、世界的なホテルチェーンである米国のマリオット・インターナショナルがタッグを組みました。両社は地方の「道の駅」の隣に、小規模な宿泊施設を全国で5000室規模まで展開していく予定です。これまでの道の駅といえば、地元の新鮮な野菜や果物、加工品などを購入する物販の場所というイメージが強かったのではないでしょうか。

今回の革新的な試みでは、これまでの物販中心の施設に「泊まる」という新しい機能を付け加えます。地方自治体ともがっちりと手を組み、ガイドブックには載っていないような魅力的な観光資源を訪日外国人などにアピールする情報発信基地としての役割も担うのです。このホテルを起点にして、日本各地の美しい田舎を自由に巡ってもらうことが最大の狙いとなります。SNS上でも「車中泊以外の選択肢が増えるのは嬉しい」「地元の美味しいものを食べて泊まれるのは最高」と期待の声が上がっています。

今回展開されるのは、日本初上陸となる「フェアフィールド・バイ・マリオット」というブランドです。このホテルの最大の特徴は「宿泊特化型」である点と言えるでしょう。つまり、レストランなどの食事施設や独自のショップをあえて設けていません。夕食や朝食、お買い物は、隣接する道の駅や周辺の街中にある飲食店を自由に利用してもらうという、非常にユニークなコンセプトを掲げているのです。

このような仕組みにすることで、もともと地域で営業している食堂や商店と競合するのではなく、お互いに利益を分け合える共存共栄の形が生まれます。積水ハウスの仲井嘉浩社長は、地域を元気にするこの取り組みが自治体から非常に高く評価されていると自信を覗かせました。トップ自らが各地の知事に熱心なアピールを続けた結果、2018年11月11日の発表からわずか1年ほどで、すでに23道府県から3000室分もの受注を獲得しています。

計画では2020年秋に第1弾として、京都をはじめとする6府県の15施設で約1000室がオープンする予定です。その後も2022年にかけて毎年1000室ずつを順次開業していきます。自治体が提案した候補地から、1つの都道府県につき3〜4カ所を厳選して建設を進める方針です。ホテル同士の距離感も、旅人が移動しやすいように絶妙な間隔を保つよう配慮されています。

具体的な旅のイメージとして、例えば京都府を例に挙げると非常に分かりやすいでしょう。日本三景として名高い北部の宮津市からスタートし、マツタケや黒豆が有名な中部の京丹波町、そしてお茶の産地である南部の南山城村へと繋ぎます。このようにホテルを点々と乗り継ぐことで、京都を北から南まで縦断するような、今までにないディープな田舎旅のルートが完成するのです。

中四国エリアでも、広島県や愛媛県、香川県などを結んで瀬戸内海をぐるりと1周できる魅力的な配置が検討されています。現在は最初の開業に向けて、地域の宝である観光資源をどのように世界へアピールしていくか、自治体と熱心に作戦を練っている段階です。さらに仲井社長は、まだ挨拶ができていない残りの地域の知事にも働きかけ、最終的には4000から5000室まで拡大したいと、陣取り合戦さながらの意気込みを見せています。

気になる宿泊料金は、立地によって前後するものの1室1泊あたり1万2000円程度を想定しているそうです。夫婦やカップルで利用すれば1人あたり実質6000円となり、世界的なブランドでありながら非常にリーズナブルな価格設定と言えます。土地を借り受ける方式を採用し、建物の内装を統一することで徹底的なコストダウンを実現しました。ここでいうインバウンド、つまり訪日外国人観光客が利用者の半分を占めると見込んでいます。

世界に1億3000万人もの会員を抱えるマリオットの強力なネットワークがあれば、地球規模での集客も十分に可能でしょう。国が掲げる「2030年に訪日客6000万人」という高い目標を達成するためには、東京や大阪などの大都市だけでなく、いかに地方へ観光客を呼び込むかが鍵となります。単なる通過点だった道の駅を、旅の拠点へと変貌させるこの試みは、日本の観光の未来を大きく変える可能性を秘めています。

編集部の視点として、このプロジェクトは地方の過疎化を食い止める救世主になると確信しています。豪華な食事付きの高級旅館も素敵ですが、旅先のお寿司屋さんや居酒屋で地元の人と触れ合うことこそが、旅の醍醐味ではないでしょうか。ビジネスホテル感覚で気軽に泊まれる世界的ブランドが地方にできることは、日本の旅のカルチャーをより豊かにしてくれるはずです。これからの開業ニュースから目が離せません。

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