私たちは日常の中で、空を舞う鳥たちを当たり前のように見かけています。そんな身近な存在である鳥と人間が、どれほど深く濃密な歴史を歩んできたのかを教えてくれる素晴らしい書籍が登場いたしました。2020年1月25日に紹介された細川博昭先生の著書『鳥と人、交わりの文化誌』は、神話や音楽、ペットとしての飼育など、多角的な視点から両者の絆を紐解く一冊です。著者は鳥に関する深い造詣を持つサイエンスライターであり、専門的な内容を一般の読者にも分かりやすく伝えるプロフェッショナルとして知られています。
人間がいつから鳥をペット、いわゆる「愛玩動物」として家畜化し始めたのかは、実は明確には分かっていません。愛玩動物とは、単に実用的な目的だけでなく、人間が愛情を注ぎ、共に暮らす対象として育てる生き物のことを指します。本書によれば、人類が移動を止めて定住生活を始めた遥か昔、すでに人間のそばに寄り添う人懐っこい鳥が存在していた可能性があるそうです。さらに、今から1万年前から8000年前頃には、現在のニワトリの先祖にあたる「セキショクヤケイ」という野生の鳥の飼育が始まったと推測されています。
私たちが毎日のように食卓で見かけるニワトリですが、最初は食材として飼われたわけではありませんでした。古代の人々は、ニワトリの骨を使った占い、あるいはオス同士を戦わせる「闘鶏(とうけい)」を通じて、神の意思を確認する神聖な儀式に用いていたのです。このように、鳥は常に人間の精神世界の中心に位置していました。SNSでも「ニワトリが元々は神事のための聖なる鳥だったなんて驚きだ」「ただの家畜だと思っていた歴史が覆った」といった、驚きと興奮の声が多数寄せられています。
世界各地の神話を見渡しても、鳥は特別なメッセンジャーとして描かれることが多くあります。日本の神話に登場するセキレイや、古代エジプトで不死の象徴とされたアオサギの神「ベンヌ」をはじめ、カラスやハクチョウ、フクロウなど実に多様です。本書ではこうした神話だけでなく、クラシック音楽に表現された美しいさえずり、手紙を運ぶ伝書バト、伝統的なウ飼いやタカ狩り、さらには家紋や服飾の装飾、防寒具の羽毛に至るまで、文字通り人間社会の隅々にまで浸透した鳥の文化を網羅しています。
光と影の歴史から私たちが学ぶべき未来へのメッセージ
しかし、この本が単なる「人と鳥の仲良しエピソード集」に留まらないのは、最終章で人間のエゴがもたらした暗い影にもしっかりと光を当てている点でしょう。人間による乱獲や環境破壊のせいで、地球上から永遠に姿を消してしまった「ドードー」や「モア」といった絶滅鳥類の悲劇が、詳細なデータとともに綴られています。これにはネット上でも「胸が締め付けられる」「人間と動物の共生の難しさを考えさせられた」という真摯な反響が広がっており、多くの読者の心を激しく揺さぶっているようです。
私はこの本を通じて、鳥たちの犠牲の上に現在の私たちの豊かな暮らしが成り立っているという事実を、決して忘れてはならないと強く感じました。彼らは単なる自然の一部ではなく、私たちの文化や歴史を一緒に作り上げてくれた大切なパートナーなのです。だからこそ、今を生きる私たちは環境保全に対してより責任ある行動を取るべきではないでしょうか。鳥と人間のこれまでの歩みを知ることは、私たちがこれから地球でどう生きていくべきかという、未来への道標を照らしてくれているように思えてなりません。
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