東南アジアの中で圧倒的な経済成長を遂げ、誰もが羨む発展を遂げてきたシンガポール。その輝かしい成功の裏側で、今まさに静かな地殻変動が起きていることをご存じでしょうか。日本経済新聞社が発行する国際英文週刊誌「Nikkei Asian Review」の最新号では、このアジアの優等生が直面する大きな岐路を「シンガポールの憂鬱」と題して大特集しています。SNS上でも「あの完璧に見える国で何が起きているのか」「成長モデルの限界か」と、ビジネスパーソンの間で大きな話題を呼んでいるのです。
シンガポールはこれまで、徹底した「メリトクラシー(能力主義)」を掲げ、優秀な外資企業や海外からの移民を積極的に受け入れることで国力を磨き上げてきました。しかし、この発展を牽引してきたシステムに、にわかには無視できない制度疲労が目立ち始めています。制度疲労とは、長年機能してきた社会の仕組みが時代の変化に合わなくなり、様々な弊害を生み出す現象のことです。最先端産業を支える優秀な海外人材が集まる一方で、国内では低賃金労働者や失業者との間で深刻な摩擦が生じています。
こうした格差への不満から、かつては寛容だった社会に「排外主義(外国人を排除しようとする思想)」の火が付きやすくなっている状況です。1965年の独立以来、一貫して政権を維持してきた人民行動党も、この複雑な国民の不満に対して決定的な解決策を打ち出せていません。こうした政治への危機感から、元与党の重鎮自らが新たな野党を結成するという、異例の事態へ発展しているのです。私自身、この動きは単なる一国の政治劇ではなく、成長第一主義が限界を迎えた現代社会の縮図であると感じています。
この激動のアジア情勢を鋭く切り取る同誌は、ウェブサイトでの購読はもちろん、日本国内の一部書店でも1部545円(税抜き)で購入可能です。なお、2020年1月20日号の「ゴーン元会長が日本に残したもの」や、2019年12月30日号の「どうなるアジアの2020年」など、過去の巻頭特集も見応えのある内容ばかりでした。東京の丸善丸の内本店や紀伊國屋書店新宿本店、大阪のMARUZEN&ジュンク堂書店梅田店など、全国の主要書店で手に入りますので、ぜひ手に取ってみてはいかがでしょうか。
コメント