プラスチックごみの削減に向け、日本の環境対策が大きな転換期を迎えています。政府は2020年7月からのレジ袋有料化義務付けを控え、2020年1月27日から中央省庁内のコンビニエンスストアでユニークな実証実験をスタートさせました。単に価格をつけて有料化するだけでなく、人々の心理にアプローチして自然にライフスタイルを変える画期的な試みとして、早くも注目を集めています。
今回の実験で導入されたのが、行動経済学の理論である「ナッジ(nudge)」という手法です。これは英語で「肘で軽く突く」という意味を持ち、強制や金銭的なインセンティブに頼ることなく、選択の環境を工夫することで人々を望ましい行動へと促す戦略を指します。SNSでは「禁止されるより自主的にエコを意識できて良い」「デザインの力で行動が変わるか興味深い」と、その効果に期待する声が続々と上がっていました。
省庁ごとに異なるアプローチ!カードがもたらす心理的効果
約3週間にわたり実施されるこの実験は、経済産業省や財務省、外務省、特許庁の庁舎内コンビニが舞台となります。面白いのは、店舗ごとに異なるデザインのカードを設置し、顧客のレジ袋辞退率にどのような変化が生まれるかを検証する点でしょう。例えば経済産業省では、袋が必要な人が提示するカードに、海洋汚染を象徴する海岸の漂着ごみの写真を大胆に配置して罪悪感や問題意識を刺激する工夫を凝らしています。
一方の財務省では、逆にレジ袋が不要な人が提示するカードを用意し、自発的な意思表示を促す仕組みを採用しました。同日に現場を視察した梶山弘志経済産業大臣は、環境問題へのアプローチとしてレジ袋を全面的に廃止する強硬手段だけでなく、カードを通じて国民の意識そのものを変革していく手法の重要性を強く訴えています。手法の違いによって辞退率にどんな差が出るのか、非常に興味深いデータが得られそうです。
編集部の視点:お仕着せではない「自発的なエコ」が未来を創る
ルールで縛るだけの環境対策は、時に消費者の反発を招きかねません。しかし、このナッジを活用した取り組みは、私たち一人ひとりが地球の未来を考えて行動する「キッカケ」を優しく提供してくれます。経済産業省のコンビニでは、2020年2月25日から有料化を前倒しで実施する予定となっており、国が本気でこの問題に取り組む姿勢が伺えます。これを機に、私たちも買い物の仕方を見直したいものです。
コメント