アメリカの国民的スポーツ、米プロフットボールNFLのプレーオフが佳境を迎えています。2020年1月12日、カンザスシティーなどでカンファレンス準決勝の激戦が繰り広げられました。今回の2試合では、アメリカン・カンファレンス(AFC)からチーフスが、ナショナル・カンファレンス(NFC)からはパッカーズがそれぞれ勝利を収めています。両チームとも各地区のレギュラーシーズンを1位で通過した実力派であり、期待に違わぬ圧倒的なパフォーマンスでリーグ王座決定戦であるスーパーボウルへの切符をかけた決勝へと駒を進めました。
とりわけスタジアムを熱狂の渦に巻き込んだのは、AFC西地区トップのチーフスが見せた驚異的なドラマです。対戦相手である南地区1位のテキサンズに、試合序盤でいきなり24点もの大量リードを許す苦しい展開となりました。しかし、ここからチーフスの大逆転劇が幕を開けます。この猛追劇を牽引したのが、天才クォーターバック(QB)として名高いパトリック・マホームズ選手でした。クォーターバックとは、攻撃の全権を握り、パスや指示を出すチームの司令塔であり、まさに試合の勝敗を左右する最も重要なポジションです。
マホームズ選手は異次元の集中力を発揮し、なんと5回ものタッチダウン(TD)パスを成功させました。タッチダウンとは相手の陣地深くまでボールを運び、一度に6点を獲得するアメフトの華やかな得点方法です。この神がかったプレー連発により、チーフスは51対31という驚異的なスコアで大逆転勝利を飾りました。SNS上でも「鳥肌が止まらない」「マホームズは人間の域を超えている」といった驚きと興奮の声が爆発的に広がり、世界中のトレンドを席巻する事態となっています。
一方で、NFC北地区の王者であるパッカーズも抜群の安定感を見せつけました。ワイルドカード、いわばプレーオフの逆転滑り込み枠から勝ち上がってきた強敵シーホークスを相手に、前半から試合の主導権を完全に掌握します。終盤にシーホークスの猛烈な追い上げを喰らったものの、28対23で見事にこれを振り切りました。ファンからは「これぞ王者の風格」「ハラハラしたけれど信じていた」といった歓喜の投稿が相次ぎ、チームの固い結束力と勝負強さに多くの人々が魅了されたようです。
筆者は今回の熱戦を見て、改めてアメフトというスポーツが持つ「最後まで何が起こるか分からない筋書きのないドラマ」の魅力を痛感しました。特に24点差をひっくり返したチーフスの攻撃力は圧巻であり、逆境でも決して諦めない精神力にはスポーツの枠を超えた感動を覚えます。王座をかけた次の決勝戦では、勢いに乗るチーフスと試合巧者のパッカーズがどのような名勝負を生み出してくれるのか、期待に胸が膨らんで止みません。
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