地域ブランド調査で何度も日本一に輝いている北海道の南の玄関口、函館市。華やかな観光地のイメージが強い一方で、実は駅周辺に空き店舗が目立つという、深刻な二極化に直面しています。歴史ある百貨店がシャッターを下ろす目と鼻の先では、空前のホテル建設ラッシュが沸き起こっているのが現状です。年間500万人にも及ぶ観光客のエネルギーを、街の衰退を食い止める起爆剤にしようと、駅前を再生させる一大プロジェクトが動き出しました。
この動きに対して、SNS上でも多くの声が上がっています。「函館駅前が新しく変わっていくのが楽しみ」「観光客だけでなく、地元の人も集まれる場所が増えるのは嬉しい」といった期待の声が寄せられる一方で、「ホテルばかりが増えて、地元の人が普段使いできる買い物スポットが減るのは寂しい」という、生活の利便性を心配するリアルな本音も飛び交っており、街の変革に対する関心の高さがうかがえます。
昭和レトロな新名所「ハコビバ」誕生!市民と観光客が紡ぐ新たな交流
そんな中、2019年12月には駅の北側に注目の新スポットが誕生しました。大和ハウス工業が手がけた複合施設「ハコビバ」です。一歩足を踏み入れると、ちょうちんが揺れる和風の門が出迎えてくれ、内部には昭和の街並みを再現した「函館駅前横丁」や最新のホテルが融合しています。さらに市民向けのスポーツジムも併設されており、旅行者と地元の住民が自然とプロセスのなかで触れ合える、温かい空間が広がっているのです。
このようにモノを売るだけでなく、体験や交流に重きを置く「コト消費(体験型消費)」の充実を急ぐのには、切実な背景があります。函館市の人口は1980年の約34万5000人をピークに、現在は25万人台にまで減少しているのです。郊外の大型店にお客が流れたことも響き、駅前の顔だった百貨店「棒二森屋」が2019年1月31日に閉店を余儀なくされました。だからこそ、観光に勢いがある今、手を打たなければなりません。
食の街から多様な魅力へ!新幹線延伸を見据えた函館の正念場
函館駅前はクルーズ客船の寄港も始まり、人通り自体は非常に活発です。しかし、五稜郭地区に比べると衣服などを扱う店が少なく、駅前ビルとして再出発した旧棒二森屋の跡地も含め、2020年代半ばに向けてマンションや商業施設、ホテルを組み合わせた大規模な再開発計画が練られています。現在は飲食店や土産物店が中心ですが、今後はネット通販には真似できない、多様な業種の店舗が集まってくることが期待されています。
2016年に開業した北海道新幹線ですが、2030年度末には札幌までの延伸が計画されています。これにより、函館が終着駅でなくなることで、人や経済がより大きな都市へ吸い寄せられてしまう「ストロー現象(大都市への一極集中)」が懸念されているのです。私は、この大転換期こそが函館の底力を示す絶好のチャンスだと考えます。単なる観光通過点にしないために、今どれだけ街の機能と魅力を高められるかが勝負です。
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