ロボット技術の未来を拓く!飲食店自動化から次世代ロボット義足まで、異才たちが描くスタートアップの挑戦

ロボット業界に新しい風が吹いています。かつて優秀な技術者は大企業へ進むのが王道でしたが、2020年01月16日現在の状況を見ると、最前線で挑戦を続けるスタートアップへとその活躍の場を移しているようです。ネット上でも「優秀な人材が挑戦できる環境が増えるのはワクワクする」「これからの日本のモノづくりを支えるのは彼らだ」といった、熱い期待の声が数多く寄せられています。

東京大学のロボット研究室「JSK」の出身者たちは、まさにその中心にいます。野沢峻一氏は2018年にアメリカの大学から帰国した際、共に研究をしたロセン氏の誘いでロボットベンチャーの「MUJIN」に参画しました。さらに野沢氏が研究室のOBOG会で声をかけたことで、自動車大手などで活躍していた村瀬和都氏や溝口弘悟氏といった優秀な後輩たちが、次々と同社へ合流することになったのです。

村瀬氏は「大企業と異なり、トップがロボットの技術を深く理解している」と語り、溝口氏も「先輩の野沢さんが楽しそうだったから安心して飛び込めた」と明かしています。リスクが伴う起業の世界において、信頼できる先輩の存在が何よりの安心感に繋がっているのでしょう。こうした風通しの良さやトップの理解こそが、優秀な技術者たちを引きつけるスタートアップの大きな魅力ではないでしょうか。

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人の手助けを目指す、多彩な開発者たち

ロボット開発の源流は、別の場所でも芽吹いています。吉海智晃氏と林まりか氏が2011年に創業したキビテクもその一つです。電子工作によって触覚、つまり「モノに触れた感覚」を伝える装置などを開発していた同社は、国の優れたプログラマー育成事業に選ばれました。林氏は当時を振り返り、身近に起業家はおらず不安もあったものの、プロジェクトを通じて製品化への想いが強まり起業に踏み切ったと語ります。

今後は、人工知能であるAIを搭載した自律型ロボットを、人間の遠隔操作によってサポートする画期的なシステムの開発を目指す方針です。AIによる自動化と人間の知恵を融合させるアプローチは非常に現実的であり、これからの労働力不足を補う強力な手札になると私は確信しています。また、飲食店の人手不足を解消しようと挑むTechMagicという企業も注目を集めています。

同社は洗浄後の食器を整理するロボットや、焼く・煮るといった複数の調理作業をこなす万能な調理ロボットを開発中です。最高ロボット責任者を務める但馬竜介氏は、決まった動きを繰り返す従来の産業用ロボットでは複雑な飲食店に対応できないと指摘します。人間が当たり前に行う柔軟な動作ほど、機械にとっては極めて難しい挑戦なのです。店舗の限られたスペースに収める制約は厳しいですが、彼らは食品の認識精度を磨くことで難題に挑み続けています。

当事者だからこそ作れる「心の通う技術」

さらに、人々の生活に密着した医療福祉の分野でも革新が起きています。BionicMの孫小軍社長が、2020年中にも受注を開始する予定なのが「ロボット義足」です。これはセンサーで歩行時の動きを感知し、内蔵されたモーターを細かく制御することで、まるで本物の足のような自然な歩行や起立の動作を助ける未来の義肢です。中国出身の孫社長は、9歳のときに病気で右足を失うという壮絶な経験をされています。

日本への留学を機に義足を使い始めたものの、腰や膝に加わる負担の大きさに苦しめられました。「もっと快適で便利な義足が欲しい」とメーカーに要望を出しても受け入れられず、一念発起して大学院で学び直す道を選んだのです。研究を重ねて博士号を取得し、ついに自ら起業を果たしました。当事者の切実な願いから生まれた技術だからこそ、既存の製品にはない優しさと実用性が宿っているのだと感じてやみません。

彼らの恩師である稲葉雅幸教授は、研究室では設計からチーム運営まで全てを経験するため、卒業生が即戦力になれるのだと太鼓判を押します。また、スポーツ選手と同じように技術者にも「最も能力を発揮できる旬の時期」があると語ります。最近は大企業がロボット事業を縮小する傾向にあるため、自身の能力を最大限に活かせるスタートアップを選ぶのは、時代に即した賢明な選択だと言えるでしょう。

日本が世界のスピード感に勝つために

稲葉教授は現在の日本の課題について、完璧な品質ばかりを追い求めるのではなく、人手不足といった目の前の困りごとを素早く解決するロボットを急いで世に送り出すべきだと警鐘を鳴らしています。日本は工場などで使われる産業用ロボットの分野では高い技術力を誇りますが、人間と同じ空間で安全に働く「協働ロボット」の領域では、すでに欧米や中国に一歩リードを許してしまっているのが現状です。

だからこそ、迅速に動けるスタートアップの存在が、これからの日本にとって極めて重要な鍵を握るのです。稲葉教授が教え子たちに期待するのは、時には自動車に変身し、時には食事の準備まで手伝ってくれるような、一日中人間のパートナーとして役に立つ多機能なヒト型ロボットだと言います。「単一の機能だけでは高すぎて売れない」と弟子たちに厳しい注文を出しつつも、そのまなざしは温かい期待に満ちています。

技術者たちが自らの旬を逃さず、情熱を注いで開発に挑む姿は、日本のモノづくりの新たな可能性を象徴しています。彼らが描く未来のロボットが、私たちの生活をより豊かで便利なものに変えてくれる日は、もうすぐそこまで来ているに違いありません。

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