インドの自動車市場全体が冷え込む中、業界最大手の「マルチ・スズキ」が驚異的な底力を見せました。同社が2020年1月28日に発表した2019年10月から12月期の連結決算において、純利益が前年の同じ時期と比べて4%増加の158億ルピー、日本円にして約240億円に達したことが明らかになったのです。これにより、2018年4月から6月期以来、実に6四半期ぶりとなる四半期ベースでの嬉しい増益を達成しました。
このニュースに対し、SNS上では「インドの不況下でもスズキは本当に強い」「ワゴンRの安心感は異常」といった、同社のブランド力に感嘆する声が多数寄せられています。さらに「これだけの大減速局面でプラスに転じるのは見事だ」と、経営手腕を評価する投稿も目立ちました。市場の逆風を跳ね返したこの快挙は、多くのユーザーや投資家に大きな衝撃と安心感を与えている模様です。
今回、マルチ・スズキが増益を勝ち取れた背景には、徹底したユーザー目線の戦略があります。自動車業界全体で新車の売れ行きが大きく落ち込む中、同社は思い切った値引きキャンペーンなどの販売促進活動を戦略的に展開しました。さらに、現地で需要が急増している「多目的スポーツ車(SUV)」のジャンルへ魅力的な新型車を投入したことが、見事に消費者の心を捉えたと言えるでしょう。
具体的な数字を見ると、2019年10月から12月期の自動車販売台数は、海外への輸出分も含めて43万7361台と、前年同期比で2%のプラスを記録しています。頼みの綱であるインド国内の販売実績も2%増と堅調でした。これは同社が最も得意とするお馴染みの小型車「ワゴンR」に加えて、流行のSUVが新しい顧客層をしっかりと開拓した結果です。
特に大きな勝因となったのが、インド最大級のイベントである祭事商戦に合わせた10月の仕掛けです。同社のバルガバ会長が「過去最大規模」と語るほどの、大胆なディスカウントを断行しました。これは一見すると利益を削る諸刃の剣ですが、購買意欲が高まる時期に他社を圧倒するプライスを提示したことで、確実にお客を呼び込む起爆剤へと昇華させたのです。
もちろん、こうした販促活動によって一時的な費用は膨らみました。しかし、同社が地道に続けてきた生産コストの削減努力や、インド政府が実施した法人減税の恩恵という強力な追い風も加わり、見事に最終的な利益を押し上げています。不況という逆境をただ耐えるのではなく、攻めと守りの絶妙なバランスで勝利を掴み取った同社の姿勢には、深く感銘を受けます。
私自身の見解といたしましては、今回のマルチ・スズキの復活劇は、新興国市場における「圧倒的シェアを持つ王者の戦い方」を体現したものだと評価しています。市場が冷え込んでいる時こそ、ブランドの信頼度や身近な価格設定が消費者の強力な安心感へと繋がるのでしょう。今後もインドのモビリティ社会を牽引する同社の動向から、目が離せそうにありません。
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