オムロンの2019年4〜12月期決算を徹底解説!車載電子部品は苦戦も「5G需要」でV字回復へ向かう理由とは?

大手電気機器メーカーのオムロンが、2020年1月29日に2019年4月から12月期の連結決算を発表しました。本決算によりますと、本業の儲けを示す営業利益は前年の同じ時期と比べて19%減の400億円に留まっています。この背景には、アメリカと中国の間で続く貿易摩擦の影響が大きく影を落としているようです。世界的に企業の設備投資が手控えられたことで、自動車や家電製品に使われる電子部品の販売が大きく落ち込んでしまいました。

売上高に関しても、前年同期比で8%減となる4983億円という結果になりました。米中摩擦による景気の冷え込みは中国の消費者マインドを直撃しており、特に家電向けの部品が厳しい状況に立たされています。さらに、工場の自動化を推進するファクトリーオートメーション(FA)向けの装置も、世界的な新車販売の低迷が響いて苦戦を強いられました。製造業全体のブレーキが、そのまま同社の数字に表れた格好と言えるでしょう。

その一方で、最終的な儲けを示す純利益は、なんと83%増の710億円と大幅なプラスを記録しています。これは2019年10月31日に車載事業を日本電産へ売却したことに伴い、巨額の譲渡益が計上されたためです。SNSでは「選択と集中による戦略的な構造改革だ」と評価する声が上がる一方で、「今後の主力事業はどうなるのか」と先行きを注視する意見も散見され、投資家たちの間で大きな話題を集めています。

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5Gと半導体需要の復活!反転攻勢へ向けた明るい兆し

厳しい事業環境が続いていますが、オムロンは通期の業績見通しを据え置きました。なぜなら、中国や韓国を中心に次世代通信規格「5G」に関連した基地局や、最新スマートフォン向けの設備投資が急速に活発化しているからです。5Gとは、超高速・大容量でデータを送受信できる新しい通信技術のことで、今後のデジタル社会を支える基盤となります。この新しい波が、同社の次なる成長エンジンとして期待されているのです。

同日の決算会見で井垣勉執行役員は「半導体業界は底を打った。本格的な回復にはまだら模様な点があるが、明るいサインが出てきた」と前向きな姿勢を示しました。2020年3月期は、最終的に純利益が22%増の660億円、売上高が9%減の6700億円を見込んでいます。来期に向けて「増収増益を確かなものにしたい」と語る同社の姿勢からは、苦境を脱して新たな成長軌道へとシフトする強い決意が感じられます。

今回の決算は一見すると厳しい数字に見えますが、私はむしろオムロンの底力を証明するものだと捉えています。自動車分野の不調を、5Gという時代のトレンドを捉えた半導体需要の回復で補う柔軟さは見事です。激動する世界情勢の中でも、不採算事業の手放しと成長分野への投資を素早く行う経営判断の早さは、これからの日本の製造業が生き残るための素晴らしい模範となるのではないでしょうか。

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