FRB金利据え置き発表も新型肺炎を警戒!今後の追加利下げの可能性と短期国債購入縮小がもたらす市場への影響を徹底解説

アメリカの中央銀行にあたる米連邦準備理事会(FRB)は、2020年1月29日に開催した連邦公開市場委員会(FOMC)にて、政策金利を現在の1.50%から1.75%の範囲で維持することを決定いたしました。議長を務めるジェローム・パウエル氏は記者会見に臨み、現状のアメリカ経済が緩やかな拡大を続けているという見解を示し、底堅い推移を強調しています。

これまで懸念材料となっていた米中貿易摩擦が「第1段階の合意」に達したことで、先行きの不確実性は和らぎ、株式市場も最高値圏を維持しています。本来であれば、2020年は金利を上下させずに現状維持を貫くことがFRBの基本路線であったと言えるでしょう。11月に控える大統領選挙への配慮からも、政治的な動きとは距離を置きたいという思惑が見え隠れします。

しかしながら、中国を中心に感染が拡大している新型肺炎への強い危機感が、この凪のシナリオを早くも脅かし始めています。パウエル議長も会見の中で、コロナウイルスの影響を極めて注意深く監視する姿勢を鮮明に打ち出しました。SNS上でも「世界経済の冷え込みが現実味を帯びてきた」「これは無視できないリスクだ」と、今後の動向を不安視する声が続出しています。

金融当局は2003年に流行した重症急性呼吸器症候群(SARS)のデータを基に影響を分析中ですが、当時と現在では中国の経済規模が全く異なります。世界の国内総生産(GDP)、すなわち世界全体で新しく生み出されたモノやサービスの付加価値の合計に占める中国の割合は、4%から17%へと激増しているのです。世界を牽引する巨大経済圏の失速は、アメリカにも直撃しかねません。

このような背景から、金融市場では早期の利下げに対する見方が再び強まっています。先物市場の動向を見ると、2020年7月までに利下げが実施されるとの予測は半数を超え、年末までに少なくとも1回の利下げが行われるという見解は8割以上に達しました。政策金利が下がれば企業の資金調達が容易になり、景気を刺激する効果が期待できるため、市場はすでに身構えている状況です。

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短期国債の購入縮小が引き起こす金融市場の二面性と綱渡りの舵取り

その一方で、FRBは2019年秋から実施してきた短期金融市場への資金供給策について、2020年4月以降に段階的な縮小を模索し始めるという、やや矛盾した動きも見せています。短期金融市場とは、金融機関同士がごく短い期間の資金を貸し借りする場のことです。ここで一時的な資金不足による金利急騰が起きたため、FRBは短期国債を買い入れて市場に資金を潤沢に流す対策をとってきました。

FRB側は、この措置を「資金の量を調節する技術的なオペレーションであり、本格的な金融緩和ではない」と主張しています。しかし市場の受け止め方は異なり、事実上の「量的緩和」、つまり市場にお金を溢れさせて景気を刺激する政策と同じであると解釈され、これが株価を押し上げる一因になっていました。そのため、この購入額が減額されれば、市場は冷や水を浴びせられたと感じる可能性があります。

歴史的な高値圏にある資産価格のバブル化を警戒しつつも、新型肺炎という突発的な外部ショックに備えなければならない現在の局面は、非常に複雑です。すでに利下げの余地が乏しい中で、市場の動向次第では再び難しい政策運営を迫られることになるでしょう。事態を楽観視せず、肺炎が実体経済に与えるダメージの大きさを冷徹に見極めることが、今のFRBには求められています。

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