ゲーム界の巨人が、誰もが驚く圧倒的なパワーを見せつけています。任天堂は2020年1月30日、2020年3月期の連結純利益が前期と比べて8%増の2100億円になりそうだと発表しました。これは、以前に会社が想定していた予想を300億円も上回る驚異的な数字です。原動力となっているのは、もちろん大人気ハード「ニンテンドースイッチ」の留まることを知らない大躍進にあります。
今回の嬉しいニュースは、投資家への還元にもしっかりと反映されました。年間配当は前期から80円アップの890円となる見込みで、従来の予想からも130円の大幅な上乗せが決定しています。この景気の良い発表を受けて、SNS上では「任天堂の株を持っていて本当に良かった」「配当金が予想以上に増えてお祭り状態だ」といった、喜びや驚きを隠せないユーザーの投稿が次々と相次いでいます。
会社の儲けを直接的に表す営業利益の見通しも、20%増の3000億円へと大幅に引き上げられました。大阪市内で開かれた記者会見の席で、古川俊太郎社長は「スイッチは勢いが衰えることなく販売を上乗せできた」と熱く語り、今後の展開にも大きな自信をのぞかせています。世界中のエンターテインメント市場を席巻しているその言葉には、確かな説得力が満ち溢れていました。
好調の背景には、2019年9月24日に投入された携帯専用モデル「ニンテンドースイッチライト」の存在が挙げられます。本体を小型軽量化し、価格を約3割抑えながらも主要ソフトがそのまま遊べる点が特徴です。この「ライト」の登場により、これまで据え置き型ゲーム機が普及しにくかった米国でも、発売後わずか10日間で80万台を売り上げるという驚異的な記録を打ち立てました。
ライフスタイルの変化に合わせた遊び方の広がりも、人気の要因でしょう。リビングのテレビで遊ぶ従来型に加え、2台目としてライトを買い足し、寝室や外出先に持ち込むスタイルがユーザーの間で定着しています。年末のクリスマス商戦を含む10〜12月期だけで、シリーズ全体で1000万台以上を販売しました。四半期ベースでは過去最高を更新する快挙を成し遂げています。
ハードの普及は、当然ながらソフトの爆発的なヒットへと直結しました。2019年11月15日に発売された「ポケットモンスター ソード・シールド」は、スイッチ初となるポケモン完全新作です。この作品が発売からわずか1カ月半で、世界累計1600万本を突破するという歴史的な大ヒットを記録しました。まさにライト効果が、ソフトの売れ行きを強力に後押しした形です。
任天堂の王道とも言えるビジネスモデルが、見事なまでに機能していると言えます。この戦略は、新型ゲーム機の本体(ハード)を製造コストに近い利益の薄い価格で広く普及させ、その後に利益率の高いゲーム作品(ソフト)をたくさん買ってもらうことで全体の収益をあげる仕組みを指します。スイッチは現在、この必勝パターンに完璧に乗っかっている状態です。
しかし、この盤石に見える戦略には、任天堂にとって未知のリスクも潜んでいます。かつてはテレビで遊ぶ据え置き機と、外で遊ぶ携帯機を別々に開発して流行の波を分散させていました。今回は同じソフトが動く共通の基盤だからこそ、もしも魅力的な新作ソフトの供給が途絶えてしまうと、据え置き型と携帯型の両方の販売が同時に急ブレーキを起こしてしまう危険性を孕んでいます。
スマートフォンという強力なライバルが常に可処分時間を奪い合う現代において、ゲーム専用機が輝き続けるのは容易ではありません。それでも、今回の圧倒的な業績を見れば、任天堂が届けるエンターテインメントの底力に感動せざるを得ないでしょう。今後もユーザーを飽きさせない、ゲーム機ならではの驚きの仕掛けや魅力的な周辺機器が続けて登場することを楽しみに期待しています。
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