世界中を震撼させている新型肺炎の感染拡大に伴い、金融市場の動きが風雲急を告げています。東京商品取引所における金先物価格は2020年1月27日、清算値が前週末と比べて42円も値上がりし、1グラムあたり5534円まで続伸しました。中国を中心に広がっている未知のウイルスへの恐怖から、投資家たちがこぞってリスクを避けようとする姿勢を強めているのです。
このように市場の先行きが不透明になった局面で、世界的な買いを集めるのが「安全資産」と呼ばれる金です。金はそれ自体に固有の価値があるため、株価暴落や通貨価値の下落といった事態に陥っても価値がゼロになる心配がありません。景気が落ち込むかもしれないという警戒感が広がる中、頼みの綱として金に資産を移す動きが本格化していると言えるでしょう。
国際的な指標となるニューヨークの金先物市場でも、日本時間の2020年1月27日朝の時間外取引において、一時1トロイオンスあたり1588ドルという3週間ぶりの高値を記録しました。これは米軍がイランの司令官を殺害し、中東の地政学リスクが一気に跳ね上がった2020年1月8日以来の異例の高水準となります。世界を揺るがす大事件に匹敵するほどの衝撃が、現在の市場に走っている証拠です。
今回のウイルス騒動が、中国の大型連休である「春節」の時期と完全に重なってしまった点も事態を深刻化させています。例年であれば爆発的な消費が期待できる最高のタイミングですが、移動制限などにより経済活動が急ブレーキを踏む形となりました。このまま中国景気が失速すれば世界経済への大打撃は避けられないため、投資家たちが実体経済へのダメージを見極めようと必死になっています。
SNS上でも「株を売って金に乗り換えた」「パンデミックが現実味を帯びる中で金の値上がりが止まらない」といった声が相次いでおり、個人の危機意識の高さが窺えます。経済の先行きが見通せない今だからこそ、目先の利益よりも守りを重視して金の保有量を増やす戦略は非常に賢明です。目まぐるしく変わる感染状況や各国の経済指標から、しばらくは一瞬たりとも目が離せそうにありません。
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